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クルマの高性能な「眼」が低価格になり、完全自動運転の実現が近づいてきた

ルミナーの最高経営責任者(CEO)であるオースティン・ラッセルいわく、Irisは状態のよくない路面や気温の乱高下にも耐えて何年も公道を走れる「車載向け」のユニットだという。Irisなら、わずか15ワット程度の消費電力で250m先の対象を検知できる。この250mという検知距離は、安全な自動運転に必要な基準として広く受け入れられている。

市販車にLiDARを搭載できるようになると、どうなるか。現在実用化されている半自動運転システム、例えばテスラの「オートパイロット」やキャデラックの「スーパークルーズ」、日産自動車の「プロパイロット」の性能を、かなり上回る自動運転も夢ではなくなる。

オートパイロットのような半自動運転システムでは、走行時に車線を維持して周囲のクルマとの距離を安全に保つために、レーダーとカメラを用いている。人間のドライバーには常に道路を注視し、クルマをコントロールできる状態でいることが求められる。その理由のひとつに、こうしたシステムは静止している障害物の検知に限界がある点が挙げられる。結果として2018年には、少なくともテスラ車3台が停車中の消防車に激突する事故が起きている。

こうしたセンサーの現段階での弱点に対して、LiDARはうまく“いいとこ取り”できている。まず、カメラとは異なり、明るい場所だけでなく暗い場所でも物体を認識できる。そのうえレーダーより細部まで検知できるので、例えば歩行者とサイクリストを区別することも可能だ。「LiDARなら歩行者も“見える”のです」と、ラッセルは言う。

クルマのフロントバンパーやフロントガラスに搭載されるたったひとつのLiDARのおかげで、いま店頭に並んでいるどのクルマよりも有能な自動運転が可能になる。それでも、周囲360度をくまなく確認しなければならない完全自動運転のシステムには不十分だろう。だが、高速道路に特化したシステムなら十分に使える。

市販車への搭載は数年後以降?

半自動運転システムにおいて、現時点ではアウディが、ドライバーが運転中に絶えず注意を払っていなくてもいいクルマを実現した唯一の自動車メーカーである。「Audi A8」にはLiDARが搭載されている。

ただしLiDARは、雨や雪といった環境下で不具合が生じる可能性があることもあり(ラッセルによると、ルミナーのLiDARならその種のトラブルは生じないという)、コストと信頼性がネックになって消費者市場における幅広い採用が進んでいない。

ルミナーはIrisの発表と合わせて、新たな資金調達を完了したことも明らかにしている。調達額は2億5,000万ドル(約270億円)に達しており、同社の企業価値は9億ドル(約971億万円)になった。今回調達した資金はオーランド工場の生産強化に役立てるという。またラッセルは、Irisを市販車に搭載できたら、得られたデータを路上の対象物を検知するソフトウェアの改良に使いたいと考えている。

実際のところ、それにはまだ時間がかかるだろう。ラッセルによると、ルミナーは複数の自動車メーカーと高速道路の運転に的を絞った6つのプロジェクトに取り組んでいるという。だが、自動車業界のリードタイムの長さを考えると、このプロジェクトの成果が市販車に採用されるのは2022年か23年以降になる見通しだ。

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