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まるでライトセーバー!? 海の上を躍動する美しい光の軌跡は、こうして描かれた

 暗い海から出現した美しいカラフルな光の筋。それはまるで『スター・ウォーズ』のライトセーバーで描かれたかのような躍動感に溢れている--。ライトペインティングに魅せられたある写真家は、いかに独特の撮影テクニックを編み出したのか。その魅惑的な世界をご紹介しよう。

TEXT BY MICHAEL HARDY

TRANSLATION BY KAORI YONEI/GALILEO

PHOTOGRAPHS BY DENIS SMITH

WIRED(US)

ニュージーランド生まれのデニス・スミスは、オークランドからオーストラリアのアデレードに引っ越したあと、生まれて初めてカメラを購入した。
ニュージーランド生まれのデニス・スミスは、オークランドからオーストラリアのアデレードに引っ越したあと、生まれて初めてカメラを購入した。

ライトペインティングに人生を救われた男がいる。デニス・スミスはゼロックスのセールスマンとしてニュージーランドのオークランドで働いていた10年前、30万ドル超の年収を得ていた。しかし、そのすべてをスポーツカーや高価な葉巻、おびただしい量の酒につぎ込んでいたのだ。

「こうした生活を続けようと、死ぬほど働いていました。そして、だんだんとどうしようもない不安にかられ、ひどくふさぎ込むようになっていったのです」

心機一転を図ろうと決心したスミス夫妻は、自宅やクルマをはじめ所持品のほとんどを売り払い、オーストラリアのアデレードに引っ越した。何か趣味が必要だ--。そう思ったスミスは生まれて初めてカメラを買い、手つかずの自然が残るうえ自宅からも近いバロッサ・バレーを散策しながら、写真を撮り始めた。

「渓谷の写真で有名なアンセル・アダムスになったかのような気分でした」と、スミスは振り返る。「けれども、写真共有サービス『Flickr』でバロッサ・バレーをテーマにしたいくつかのグループに参加したところ、あまりに多くの人がまったく同じ写真を撮っていることに気づかされたのです」

「光のボール」の誕生

こうしたなか、同じくFlickrでスミスが出合ったのが、当時はまだ規模が小さかった「LIGHT PAINTING」のコミュニティーだ。そこでは写真家たちが、色のついた光源を用いて長時間露光で夜間に撮影し、複雑に構成されたイメージを生み出していた。

この手法にすっかり心を奪われたスミスは、独自の撮影技法を実験し始めた。そして、のちにスミスの代表的な技法となる「光のボール(ball of light)」を編み出したのだ。立ったまま、先端にLEDライトが付いたコードを円を描くように振り回す。すると、ほぼ完全な光の球体を生み出せる--。

このプロセスを映像作家のサム・コリンズが短いドキュメンタリーにまとめて公開したところ、その再生回数は25万回に上った。こうしてスミスは一躍、世界的なライトペインターの仲間入りを果たしたのである。この過程でスミスは酒もやめている。この10年は、一滴も飲んでいないという。

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