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腕時計づくりの伝統とハイテクが融合、オメガの新工房に潜入

 オメガがスイスに構えた新しい工房は、熟練の職人による伝統的な腕時計づくりとロボットが融合している製造業の最先端の場だ。天然素材を使った建物は建築家の坂茂が手がけ、雨水や太陽光発電による再生エネルギーをフル活用している。そんな時計づくりの過去と“未来”が息づく工房に潜入した。

TEXT BY LAURA MCCREDDIE-DOAK

TRANSLATION BY MADOKA SUGIYAMA

WIRED(UK)

スイスのビール(ビエンヌ)にあるオメガ新工房の時計生産フロア。清潔なこの場所で、時計が組み立てられる。PHOTOGRAPH BY CRISTOFFER RUDQUIST
スイスのビール(ビエンヌ)にあるオメガ新工房の時計生産フロア。清潔なこの場所で、時計が組み立てられる。PHOTOGRAPH BY CRISTOFFER RUDQUIST

スイスのビール(ビエンヌ)にあるオメガ新工房の時計生産フロア。清潔なこの場所で、時計が組み立てられる。PHOTOGRAPH BY CRISTOFFER RUDQUIST

時計づくりの伝統ある歴史と現在の姿。このふたつが交差する街を見たいなら、スイスのビール(ビエンヌ)を訪れるといい。

暮らしている人たちはフランス語とドイツ語を話す。こうした状況が、まさしくこの町を築き上げているのだろう。現代の高層建築は湖と同じ標高の一帯に建っている。そこから少し歩くと、15世紀に建てられた教会などゴシック建築が魅力的な旧市街に出る。新市街に足を延ばすと、1930年代の社会民主主義の時代にさかのぼるモダニズム建築が見事に現存していることに気づく。

ビールはジュラ山脈への玄関口である。緑が多く風光明媚な町で、スイスの時計産業発祥の地だ。そして巨大な工業ビルの本拠地でもあり、ロレックス、ミドー、オメガなどのブランドがひしめき合っている。ここは時計産業そのものの、過去と現在が息づく場所なのだ。

ビールにあるオメガの工房は、競合他社の工房と同じように、最近までこれといった特徴はなかった。建物の最上部に掲げた社名がなければ、他社と見分けがつかない巨大な箱にすぎない。しかし、オメガは2016年にある決断を下すことになる。それは工房を広げるとともに、スタッフが歩き回る空間を削るというものだった。

自然を取り込む日本人建築家

オメガが起用したのは、日本人建築家の坂茂だ。坂は現在活躍中の建築家のなかでも、極めて革新的な設計を手がけている人物と言っていいだろう。建築業界の権威あるプリツカー賞を14年に受賞している。

坂は、オメガが属するスウォッチ・グループと以前にも仕事をしたことがある。同グループの創業者の名を冠して東京・銀座に完成した「ニコラス・G・ハイエックセンター」を設計したのだ。そこは銀座の街にインスパイアされた、思わず息を呑むような巨大な建築物である。

ビルの外面を覆うガラスのシャッターが開くと、歩行者や買い物客は自由に通り抜けることができる。広大なアトリウム内壁に植栽が施され、店舗やオフィスはあたかも垂直方向に広がる公園のようだ。こうした自然の要素を取り入れた構造は、坂ならではのスタイルと言える。彼は環境に配慮する建築家とされており、紙や紙管による家の建築を好んでいる。

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