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ウェブの誕生から30年、予告された「死」は訪れなかった

こうした進化は犠牲も伴った。一般的なウェブサイトのファイルサイズは、2016年ごろまでに、シューティングゲームの初代「Doom」の1993年版と同程度の容量にまで達したのだ。そして広告やトラッキング用のスクリプトによって、いまでは見た目がシンプルなウェブページでさえ、複数枚のフロッピーディスクと同じくらいの容量になった。その後も“標準”は肥大化していくばかりだ。

基礎となるテクノロジーが飛躍的に進化したおかげで、ウェブはより有用で、かつ厄介なものになった。複数のウィンドウを同時に開ける機能は便利なものだが、1990年代後半から2000年代前半にかけて悩みの種になったポップアップ広告の増加につながった。ブラウザーの開発者はポップアップ広告の出現に、ポップアップブロッカーをブラウザーに搭載することで対処した。

この終わりなき堂々巡りは、ウェブを使うのをやめてアプリに移行する十分な動機になるかもしれない。しかし、一度は“逃げる”ことになったとしても、結局はウェブへと回帰していくだけなのだ。

「ウェブは死んだ」はずだった

2010年、『WIRED』US版は「ウェブは死んだ」と宣言した。しかし、時期尚早だった。理由のひとつは、ウェブのコンテンツにリンクするという概念が、ソーシャルメディアの隆盛へとつながっていったこと。そしてウェブが勢いを増し、その基礎技術がモバイルやパソコンのアプリの構築にも利用されるようになったからだ。

例えば、SlackやDiscord、Spotifyのようなアプリのパソコン版は、グーグルから生まれたオープンソースプロジェクト「Chromium」ののウェブブラウザー技術でつくられている。要するにそれらのアプリは、特定のウェブアプリケーションに特化したウェブブラウザーなのだ。

無数にあるモバイルアプリケーションも、ほぼ同じ要領でつくられている。OSごとにアプリをつくるには大変な労力が求められるというのが、その理由である。

コンピューティングの“再創造”

バーナーズ=リーによる最初の提案までさかのぼっても、いつの時代においてもウェブはクロスプラットフォームだった。最近はネイティヴアプリをつくるために、ウェブの技術を応用する考えが主流になっている。

例えば、GitHubが開発したオープンソースのソフトウェアフレームワーク「Electron」は、SlackやDiscordの開発に使われた。フェイスブックが開発した「React Native」は、JavaScriptを用いてモバイルアプリを開発するフレームワークとして支持されている。マイクロソフトは、パソコン用のコードエディタツール「Visual Studio Code」の開発にElectronを採用している。

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