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ウェブの誕生から30年、予告された「死」は訪れなかった

 WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)の誕生から、2019年3月12日で30周年を迎えた。ティム・バーナーズ=リーが「分散型ハイパーテキストシステム」として提案したアイデアは、いまではモバイルアプリやSNSなどにも受け継がれている。『WIRED』US版が10年前に予告した「ウェブの死」は訪れなかった--。課題も抱えつつ発展し続けているウェブの歴史を、いま改めて振り返った。

TEXT BY KLINT FINLEY

WIRED(US)

PHOTO: SIMON DAWSON/REUTERS/AFLO
PHOTO: SIMON DAWSON/REUTERS/AFLO

近ごろのウェブサイトは、開いた途端すぐに閉じたい気持ちになる。

まずはアプリのダウンロードを求めるところから始まり、メールマガジンに登録するよう催促するダイアログが開く。次に通知の許可を求められ、大量の広告や、広告ブロッカーをオフにするよう求めるメッセージまでついてくる。

やかましいポップアップやフェイクニュース、そして嫌がらせ--。こうしたものから逃れるために、ポッドキャストやプライヴェートなSlackのチャンネル、あるいは「Apple News」のようなアプリを使い、今後はもう二度とウェブサイトなんて使わないと宣言したくなるほどだ。しかし、ことはそう簡単には運ばない。

分散されるコンピューターというアイデア

現在のウェブは、ティム・バーナーズ=リーが30年前に「分散型ハイパーテキストシステム」のアイデアを思いつき、欧州原子核研究機構(CERN)に提案したときに考えていたものとは異なっている。バーナーズ=リーはその案のなかで、自身のソフトウェアプロジェクトを記録するため1980年に開発した「Enquire」と呼ばれるアプリケーションについて説明していた。

その説明によるとEnquireは、ソフトウェアドキュメントのように情報を含むさまざまなタイプの「シート」を作成できるという。このシートは、ほかのシートに簡単にリンクさせることができる。いまでいうWikipediaが思い浮かぶが、当時のバーナーズ=リーは、アドヴェンチャーゲームの元祖として知られるテキストベースのゲーム「コロッサル・ケーヴ・アドベンチャー」や、アップルの開発ツール「HyperCard」になぞらえていた。

バーナーズ=リーはこの基本となるアイデアを拡張し、研究者が使うコンピューターの種類にかかわらず情報を共有できるシステムの構築を提案した。重要なのは、彼がそれは中央集権ではなく分散される必要があると述べていたことだ。

「情報システムは最初は規模が小さいが、やがて大きくなっていく」とバーナーズ=リーは記し、次のように続けた。「システムは最初はバラバラだが、やがてひとつに統合されていく。新しいシステムは中央集権でなく、何らかの調整がなくても、既存のシステムと互いにリンクしていくものでなくてはならない」

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