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「世界人口が今後30年で減少に転じる」という、常識を覆す「未来予測」の真意

そうして生まれた本書は、あらゆる社会階層に属する現代の家族の肖像だが、その読みやすく生き生きとした描写のなかには、凝り固まった人口統計学のドグマへの反抗がにじむ。『WIRED』US版は著者2人へのインタヴューを行い、まったく新しい未来予測に行き着いた経緯と、新たな予測が将来の社会に与える示唆について訊いた。

--国連は、公衆衛生や食糧安全保障、世界経済まで、あらゆる事柄において権威と認められていますよね。なぜ、その人口動態予測が間違っていると考えたのですか?

ジョン・イビットソン(以下、JI):国連の人口データは、わたしたちが「垂直的な知識」と呼ぶものの一種です。つまり、「誰でも知っている」知識です。「いま人口はどうなっていますか?」と聞けば、一国の首相でも大学の研究者でも、ビジネスリーダー、学生、あるいはそのへんの通行人でも、誰もがこんなふうに答えるでしょう。「最悪だよ。とてつもない人口爆発だ。昨日も映画でやってたけど、地球は過密になって、みんな木星の衛星に移住するしかないんだ」と。それくらい深く根付いています。

ダレル・ブリッカー(以下、DB):そんなふうに常識になっていることこそ、前提をしっかりと見直し、自分自身で検証すべきです。なぜなら、垂直的な知識の根拠を、現実がとっくに追い越してしまっていることが珍しくないからです。

JI:わたしたちが実践したのはそういうことです。ちょっと調べただけで、多くの人口学者が、ずっと前から国連の人口予測に異を唱えていたことがわかりました。ですが、彼らはこうした意見を学会や学術誌で表明するだけで、一般大衆向けの情報発信はしてきませんでした。そこが、わたしたちの出発点になりました。わたしたちは世界中を旅して、実際に人々と話し、その選択について尋ねました。そうすることで、統計上の数字に命が吹き込まれたのです。

--本書のために世界を回って人々にインタヴューをしたんですね。紙の上の数字が実体をもつに至った、印象的な光景や会話はありますか?

DB:デリーのスリニワスプリ地区にある小さな学校で、13人か14人の地元の女性グループに話を聞いていたときのことです。彼女たちのサリーの下に、かすかな光が何度も見えて、一体なんだろうと思っていました。すると、ひとりの女性が服の下に手を入れてスマートフォンを取り出し、ちらっと見て、また戻しました。こんなスラムのど真ん中でも、女性たちはみなスマートフォンをもっているのだと、そのとき気づきました。彼女たちは字が読めるし、膨大なデータにアクセスできます。わたしは考えました。人類のありとあらゆる知識が、彼女たちの手のなかにある。それがどんな影響をもたらのだろうかと。

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