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「ダークマター」の正体に迫れるか? 宇宙の謎を巡る研究に方向転換の動き

 宇宙に存在する物質の85パーセントを構成すると考えられているダークマター(暗黒物質)。その存在を示す有力な証拠を記録したのはイタリアの「DAMA」と呼ばれる検出器だけで、その後は同じものは見つかっていない。このため、新たなアプローチで別の物質の観測を模索する動きが出始めた。

TEXT BY SOPHIA CHEN

TRANSLATION BY MINORU KAWAHARA/GALILEO

WIRED(US)

PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA GODDARD
PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA GODDARD

ダークマター(暗黒物質)は何からできているか、まだわからない--。物理学者たちは、そう驚くほど率直に話す。

イェール大学の物理学者レイナ・マルヤマは、「わたしたちはみな、自分の頭をかきむしっているほどです」と話す。「直感では、ダークマターのうちの8割は何かで、2割は別の何かだと思います」と話すのは、ワシントン大学の物理学者グレイ・リブカだ。

彼がこのように考えるのはなぜか。科学的な理由ではなく「人々の知恵からだと言えるでしょうね」と、リブカは言う。

研究者らは望遠鏡をのぞき込み、ダークマターの存在を示す証拠を多数発見してきた。銀河の回転速度は、観測可能な質量が可能にする回転の速度よりもはるかに速いという観測結果が得られている。

確立された重力方程式によると、これらの銀河は必然的に、回転しているハンドミキサーからまき散らされるケーキ生地のように、バラバラに崩壊するはずだ。現在主流となっている見解は、何らかの目に見えない物質「ダークマター」が、これらの銀河をつなぎ止めているに違いないというものである。

「COSINE-100」と呼ばれるダークマター共同研究プロジェクトを主導するひとりであるマルヤマによると、ダークマターは「コットンボールのような感じ」で周囲に拡散した物質で構成されていることが、観測で示唆されているという。

唯一の検出を除いて「検出なし」

しかしながら、ここ地球上では手がかりは乏しい。銀河の回転速度から考えると、ダークマターは宇宙に存在する物質の85パーセントを構成するはずだ。宇宙の片田舎にあるわれわれの小さな故郷である惑星上の物質も、宇宙に存在する物質に含まれる。だが、これまでに地球上でダークマターの有力な証拠を記録したのは、「DAMA」と呼ばれるイタリアにある検出器だけだ。

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