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二日酔いの原因と科学的回避法とは? 『酒の科学』の著書が解説

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この肝臓の処理能力を超えるペースでお酒を飲むと、エタノールが血流を介してほかの臓器に行く。そして、抗利尿ホルモンと呼ばれるバソプレッシンの生成が抑制される。飲むとおしっこをしたくなるのも、脱水状態になるのも、これが理由だ。

一方、脳では(思考などを司る)前頭皮質から、自己統制や報酬の処理を担う脳の部位へと広がる。濃度がもっと高まると、記憶、さらには運動神経の部位へと拡大する。この仕組みは本当のところはわかっていない。

これが酔いというものであり、どうやら抗不安薬「ジアゼパム」などのベンゾジアゼピン系向精神薬と同様な神経的な仕組みによって作用しているようだ。まずは気分が良くなり、次に眠くなり、それから気分が悪くなる。

二日酔いは「過剰な免疫反応」の一種?

酔いの仕組みの本当のところが誰にもわかっていないのと同じように、二日酔いの詳細も実ははっきりしていない。飲酒を終えておそらくは十数時間後、体がエタノールの処理を終えると、酔いとはまったく別の不快な症状が出てくる。

二日酔いの仕組みについては、この百年ほどの間にさまざまな仮説が出された。アルコールの禁断症状だ、電解質の不平衡ではないか、お酒に含まれるアルコール以外の物質(コンジナー)によるものだ、アルコールの代謝に伴うアセトアルデヒドだろう--などだ。酸化ストレスを示唆する研究もある。

エタノールがリーキーガット症候群[編註:腸漏れ:腸に穴があいてしまうことで、本来体内には取り込まないはずの細菌や毒素などの有害物質まで体内に取り込んでしまうこと]の一因になっている可能性もある。あくまで予備的な研究の話だが、3カ月間のプロバイオティクス治療によって、炎症、肝臓の損傷、アルコール全般の摂取の抑制が見られた。これは二日酔いの軽減にもなる。

現時点でいちばん有力な考え方は、二日酔いは一種の「過剰な免疫反応」というものだ(そうだとすると、少なくとも直観的には、二日酔いが風邪に少し似ている理由の説明につながる)。二日酔いは、血中と唾液中のサイトカインという免疫分子、特にインターロイキン-10、インターロイキン-12、およびインターフェロン・ガンマの濃度と関係がある。サイトカインは炎症性と抗炎症性の両方があるが、飲酒で上昇すると見られているのは炎症性のものだ。

実際に効果のある薬があった

この仮説の傍証がもうひとつある。二日酔いの治療効果が証明されている化学物質がわずかにあるが、そのほぼすべてが抗炎症性なのだ。ひとつはクロタム(Clotam)という偏頭痛の処方薬。そのほかに、そこまでの効果はないが、ウチワサボテンの抽出物もそうだ。二日酔いの治療薬と称しているものが多いヴィタミンB群もそうである(ただ実際の効果を証明した研究はない)。

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