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若い血液が「若返り」の万能薬になる? 米国で次々に誕生したスタートアップの思惑

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エレヴィアンを創業した5人の科学者のうちのひとり、ハーヴァード大学の神経科学者リー・ルービンは次のように話す。「われわれの研究がユニークなのは、すでに損傷してしまった組織の機能が、損傷の原因を問わず改善できるからです。つまり、この道を進んでいけば、さまざまな疾患の治療につながるでしょう」

浮上した「GDF-11」の効果

ルービンが長寿研究を始めたのは、バイオテクノロジー企業からハーヴァードに籍を移した2006年だった。その後まもなく、スタンフォードの並体結合研究のパイオニアだった若手幹細胞生物学者のエイミー・ウェイジャーズとともに、加齢に関する講座で教鞭をとった。彼女は若い血液がさまざまな組織に与える影響についてハーヴァードでも研究を続けていくため、協力研究者を探していた。

ふたりは脳内で若い血液の刺激を受けると新しい神経細胞が形成されることを発見した。ハーヴァードのほかの研究者との共同研究では、若い血液は加齢によって肥厚が進む心臓壁を逆に薄くしていくことも発見した。

こうした結果を得て、ウェイジャーズと協力研究者たちは、若い血液のどの成分に若返りの作用があるのかを調べ始めた。そして浮上したのがGDF-11と呼ばれる増殖タンパク質である。

研究班は2014年に『サイエンス』誌に掲載されたふたつの論文で、GDF-11だけを注射した高齢マウスは注射前に比べて力強く、脳への血流が増し、記憶の改善さえみられたと報告した。以降、これらの結果は激しい科学論争のテーマとなり、製薬会社ノバルティスの研究者たちは高用量のGDF-11はマウスに筋肉の減少を引き起こすという研究報告を発表した。

すべてが活性を有しているわけではない?

こうした論争があるにもかかわらず、エレヴィアンの創業者のひとりでCEO(最高経営責任者)のマーク・アレンによると、同社はハーヴァードの研究チームにGDF-11関連の特許一式(体内で発見された自然のタンパク質を含む)の使用許可を与えた。GDF-11がすぐに分解されてしまうという課題があるため、同社では毎日注射しなくてもいい製剤の研究も行っているという。「われわれは生物学の分野を扱っているのですから、その複雑さには敬意を払わなければなりません」

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