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大雨が急増し、河川氾濫の被害は10倍に? 新たな予測モデルで判明

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 気候モデルと河川流量のモデルを統合した新しいモデリングにより、河川氾濫による人的および物的被害が、現在の年間平均値の数倍から10倍に増加することが示された。地球温暖化とともに自然災害の被害が大きくなると予測されるなか、われわれはどう対策をとればいいのか?

PHOTO: STEPHEN KING/GETTY IMAGES
PHOTO: STEPHEN KING/GETTY IMAGES

川の動きは千変万化だ。雨の季節には流れが深く速くなり、雨が減ると流れも少なくゆっくりになる。1年ずっと完全に干上がることもあれば、次の年には荒れ狂う水による氾濫が起きることもある。ときには完全に姿を消し、かつてその川で潤いを得ていた地域が衰退してしまうこともある。

気候変動によって海面上昇に拍車がかかっていることは耳にすることも多いが、それによって河川がどのように変わるかについてはそれほど取り沙汰されていない。しかし実際には、河川の氾濫による被害を受けた人々の数は現在、年間約6,000万人に上る。

『Nature Climate Change』に発表された、新しい野心的な研究は、温暖化が進みつつある世界における河川の変化のモデリングに取り組んでいる。研究者たちは、氾濫の大きさの予測をもとに、物的なリソースと人命の両方に関して潜在的な損失を数値化した。

研究チームは、これまでの気候モデルと同様に、温暖化による気温上昇がどのくらいになるかという複数の予測シナリオに関して分析を行い、それぞれについて将来の推定を示している。ただし、たとえ温暖化の進み方が最もゆるいケースであっても、状況は芳しくない。

物的損失が1,000パーセント増という予測

意外なように思えるかもしれないが、これまでの気候モデルの予測によると、温暖化が進んだ地球では、嵐を起因とした降雨の量が増える。なぜだろうか? 今回の研究には参加していない気象科学者のジューダ・コーエンは、その理由を次のように説明する。「空気が暖かくなるほど、多くの水分を含むことができます。プールを大きくすれば、より多くの水を入れることができるのと同じです」

一般に、こうした水が雨となって降るときは土砂降りになり、川が増水して氾濫が起きる。「その後は非常に複雑になります」とコーエンは言う。「温暖化によって大気の力学が変化することで、嵐の数は少なくなる可能性があります」。例えば南カリフォルニアでは、嵐はより激しくなるが、その回数は少なくなることが複数の気候モデルで予測されている。

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