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「ウォークマン」「ディスクマン」…本当にピュアだった音楽体験 30年前の音楽プレイヤーを振り返る

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「ウォークマン」「ディスクマン」…本当にピュアだった音楽体験 30年前の音楽プレイヤーを振り返る

「Panasonic」ブランドのポータブルCDプレーヤー。この当時は社名がパナソニックではなく、「松下電器産業」だった。PHOTOGRAPH BY DAVID BRANDON GEETING 「Panasonic」ブランドのポータブルCDプレーヤー。この当時は社名がパナソニックではなく、「松下電器産業」だった。PHOTOGRAPH BY DAVID BRANDON GEETING

 しかし98年までには、そうした危ぶむ声も収まり、ウォークマンとディスクマンは公共空間に根付いていた。

現在から見ると、その機能は笑えるほど限定的だ。自宅を出る前に、どのアルバム、あるいはどのミックステープの気分なのかを考える必要があった。持ち運ぶ予備テープはせいぜい数本。これには困った。バックパックにしまった3本のテープに飽きてしまったらどうしよう?

邪魔されずに音楽を楽しめるという“恵み”

一方で、これは幸いでもあった。画面のスクロール1回やクリックひとつのところで、ほかの無数の曲が自分を待っているという意識はない。このため、ローリン・ヒルの「Doo-Wop(That Thing)」に、どっぷりと漬かることができたのだ。

現在のデヴァイスや初期のiPodとは対照的に、ウォークマンとディスクマンは用途がひとつだけのスタンドアローンの音楽プレイヤーだった。そして、固定電話と同じ道を進んだ。アップルは昨年7月、インターネットにつながらないiPodの最新モデルである「iPod nano」と「iPod shuffle」を廃止すると発表した。

専用プレイヤーの市場は、もうあまりないように見える。しかし、それは健忘症のせいでもあるとにらんでいる。98年当時のわれわれは知らなかったことだが、携帯音楽プレイヤーを聴いている最中にニュースやテキストメッセージの通知で邪魔されないというのは恵みだった。そんな通知があったとしたら、ウォークマン体験の陶酔感は、あれほどピュアなものにはならなかっただろう。

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