PR

WIRED WIRED

中国の宇宙開発には協力すべき? 欧米の科学者たちの悩ましい選択

Messenger

シルヴェストゥルは、中国の宇宙機関による次世代ケミカルセンシング用カメラの開発を手伝っている。このカメラは、2020年に実施予定の火星ミッションで使われるという。

2020年は、火星にとってはビッグイヤーだ。前述の中国のほかにも、NASAや欧州、アラブ首長国連邦もミッションを計画している。

「中国が宇宙開発における主役のひとりだということは否定できません」とシルヴェストゥルは言う。「中国は先達の助けを得て太陽系を探索したいと思っています。ターゲットを決めて、それに専念しているのです」

米国にもいる中国に協力する研究者たち

中国に協力している欧米の科学者は少ない。

そのひとり、ジェームズ・W・ヘッド3世のキャリアはNASAのアポロ計画から始まった。それ以来、かつては旧ソ連、いまでは中国の惑星地質学者たちとも協力している。

ブラウン大学教授で中国の武漢大学の客員教授でもあるヘッドは、「中国の研究者のやっていることには興味があるし、彼らがどんなものを見つけ、それがわれわれにどんな影響をもたらすのか知りたいと思っています」と話す。

NASAのエンジニアや科学者は中国との協力を禁止されているが、ヘッドのような大学所属の研究者はNASAの制限を受けるわけではない。それでも、リスクがあることはわきまえているとヘッドは話す。

「宇宙科学の分野は、技術移転の問題が起こる可能性の高い最先端技術を扱っています。不注意でいるわけにはいきません。中国は強力なライヴァルなのですから」と彼は言う。「そうはいうものの、われわれは『競合の論文は読みたくない』なんて言えるような立場にはないのです」

そういうわけで、ヘッドはブラウン大学の研究室に中国人学生もロシア人学生も受け入れている。ヘッドはその中国人学生とともに、中国が今年中の打ち上げを予定している月探査機「嫦娥4号」の着陸地点の選定を行ってるところだ。

「中国は科学的に重要な役割と得意分野を見つけつつあります」とヘッドは言う。「最終的な目標は、宇宙飛行士の月面着陸です。中国はいま、確実にその方向に向かっています」

ところで、中国がもし今後1~2年のうちに月面からサンプルを持ち帰ることに成功したら、どうなるだろう? 

ヨーロッパの科学者たちはきっとそのサンプルを見せてもらえる。だが、NASAの支援を受けている科学者たちはそうはいかないだろう。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ