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中国の宇宙開発には協力すべき? 欧米の科学者たちの悩ましい選択

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シルヴェストゥルはフランスの天体物理学・惑星学研究所(IRAP)の惑星科学者で、SuperCamプロジェクトでは副主任研究者を務めている。またシルヴェストゥルは、複数国間の共同プロジェクトにも携わっている。これまで長年にわたって、土星や月、火星ミッションでNASAの科学者たちとともに研究を進めてきた。

彼の研究室はいま、SuperCamの類似機器の開発も行っている。欧州と日本が協力して進めている水星ミッション「BepiColombo(べピ・コロンボ)」用の機器や、仏中が共同開発している人工衛星に搭載される「エクレール」などだ。

つまり、彼は中国と協力して科学の進歩を助けると同時に、西側の技術を盗まれないように厳重な注意を払わなければならない数少ない惑星科学者のひとりというわけだ。誰もがやりたがるわけではない、“危険”な任務と言えるだろう。

「注意を怠らないようにしています」とシルヴェストゥルは言う。「安全保障の問題があることは理解しています。注意深くなければならないし、愚直でありすぎてもいけないこともわかっています。それでもわたしは、惑星探査はみんなのものだと思っているのです」

「宇宙開発の主役」の一角を占める中国

NASAと中国の両方に協力するというのは、矛盾あるいは対立しているように思えるかもしれない。このふたつの超大国は、貿易、軍事、サイバーセキュリティの分野で角を突きあわせているからだ。

米国議会はNASAの職員が中国に行くことも、NASAの資金を中国に流すことも禁止している。中国がこのごろ、軍事、航空宇宙、テクノロジーの分野で米国の国家機密を探るスパイ活動をしていたことがその理由だろう。

しかし、フランス人科学者のシルヴェストゥルにとっては、中国の科学者たちと距離を置くよりも彼らの研究を理解するほうが得策だ。

「ほかのプロジェクトについてはしっかり秘密を守ります」と彼は言う。「火星探査機の技術を譲るつもりはありません。科学研究レヴェルでの協力はしていますが、あくまでプロフェッショナルなやり方で進めています。彼らが知りたがるのは、ほとんどがデータに関することです。プログラミングや基本的な仕組みに関する話はしません」

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