産経ニュース

人工知能vs.プロゲーマーの闘い、人間が制する――その戦術から見えたAIの「弱点」と可能性

WIRED WIRED

記事詳細

更新


人工知能vs.プロゲーマーの闘い、人間が制する――その戦術から見えたAIの「弱点」と可能性

 ゲームのeスポーツ界で最高峰のプロチームvs.世界最高峰のアルゴリズム--。そんな最高峰同士の試合が、ゲーム「Dota 2」の国際大会で行われた。その初戦、ブラジルのプロチームとの試合は52分の闘いの末に人間の勝利に終わった。その敗北からは、ゲームに最適化されたAIであるボットが現時点で抱える大きな課題と、今後のAIの進化の可能性が見えた。

TEXT BY TOM SIMONITE

TRANSLATION BY ASUKA KAWANABE

WIRED (US)

PHOTO: JEFF VINNICK/GETTY IMAGES PHOTO: JEFF VINNICK/GETTY IMAGES

人工知能(AI)の進歩を測る方法のひとつは、対チャンピオン戦におけるアルゴリズムの勝利をみていくことだ。しかも、その対戦種目の難易度はどんどん高くなっている。チェッカーズ、チェス、2016年の囲碁--。そして8月22日には、5つのAIがゲーム「Dota 2」を通じてeスポーツの世界でもマスターの座を奪取する領域を広げようとした。

しかし、彼らは失敗してしまった。対戦相手であるブラジルのプロチーム「paiN」が、人間の名誉を守り抜いたのだ。少なくとも、いまのころは。

人間の圧勝に終わった52分の戦い

人間対マシンの戦いは、Dota 2の世界大会「The International」のサイドイヴェントとして行われた。The Internationalは、eスポーツ史上最高の賞金総額2,500万ドル(約28億円)を誇るトーナメントである。

ゲームで闘うAIのボットを開発したのは、OpenAIである。テスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスクが共同創設した研究所で、人間レヴェルのAIとその安全な利用を研究している。

会場となったヴァンクーヴァーのホッケーアリーナでは、数千人の観客が呪文や炎の稲妻が飛び交う52分の戦いを観戦した。そしてそれは、人間側の圧勝に終わった。

今回の試合からは、最高峰のプロゲーマーの技能が最高のアルゴリズムよりも優れていることが見えた。一方、今月はじめに行われたウォームアップマッチでは、ボットたちがDotaのエキスパートのチームを破っている。そのときエキスパートたちが出したコメントで、AIが次も勝利を収めるのではないかと期待が高まっていたところだった。

続きを読む

このニュースの写真

  • 人工知能vs.プロゲーマーの闘い、人間が制する――その戦術から見えたAIの「弱点」と可能性