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「月に水がある証拠」は10年前のデータにあった 新事実を“発掘”した研究チームの挑戦

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月面のどこから調査すべきか?

そもそも月面の水氷はどうすれば採掘できるのだろうか。

「採掘方法は大きく分けて2通りあります」と、セントラルフロリダ大学の惑星科学者フィリップ・メッツガー博士は説明する。ひとつは、地中にある氷をそのまま溶かした気体を採取し、コンテナ内で液状化させる方法。この場合、大型の機械は必要ないものの、月面の環境下でどう土を熱するか、そして気化した氷が砂粒の間を通り抜けることができるかが疑問だ。

もうひとつの方法は、土壌ごと採取し、コンテナの中で蒸留させる方法だ。こちらは蒸留プロセスをある程度コントロールしやすいものの、大型な採掘機械が必要となる。現在どちらの技術も開発中だと言う。

「宇宙の経済を支える燃料として水を活用するには、一度に大量の水を採掘できる場所に向かうほうがいいでしょう」とメッツガー博士は言う。「つまり、月の南極か北極を探査するほうが効率的だと思います」

実際、すでに世界中で月を目指す動きが活発になっている。

東京に拠点をもつ民間月面探査企業ispaceは、シリーズAで累計103.5億円を調達した。ルクセンブルクと米カリフォルニア州に支社を置き、月までの輸送手段である着陸船と、月面を走行できる小型探査車の開発に取り組んでいる。同社は最初のミッションを2020年と2021年に予定している。

「今回の発見は、ispace含め宇宙産業にとって非常にプラスです。月の水資源への関心が高まりますし、将来のミッションにおける着陸地点の参考になります」と、ファウンダー兼代表取締役の袴田武史は言う。「このデータをベースに近い将来、わたしたちが月面で詳細な探査を行い、氷を見つけたいですね」

さらに、国家レヴェルでも再び月を目標とした動きが活発になりつつある。米国のペンス副大統領は今月23日、NASAは2024年までに月の周回軌道に宇宙ステーションを建設し、アメリカの宇宙飛行士を送り込むという野心的な目標を掲げた。NASAが開発を進める大型ロケット「Space Launch System」と有人宇宙船「Orion」を用いて、アメリカの有人宇宙プログラムを加速させることが目的だ。

同時に、スペースXやボーイングといった民間宇宙企業との連携も強化してくという。火星や小惑星などの深宇宙探査を行うにあたって、月の中継基地は重要な役割を果たすとペンス副大統領は主張している。

月に水の存在が確認されたいま、これらの動きはさらに加速するだろう。まずは水の性質と量を理解することが重要だ。これからも、官民提携による月探査に注目していきたい。

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