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「月に水がある証拠」は10年前のデータにあった 新事実を“発掘”した研究チームの挑戦

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 月の地表近くに水が氷のかたちで存在する直接的な証拠を、米研究チームが発見した。これまでも月面に水が存在する可能性は指摘されてきたが、直接観測されたのは今回が初めてだ。その証拠は、実は10年も前に観測されたデータのなかに“潜んでいた”のだという。研究チームは、いかに過去のデータから画期的な証拠を見つけ出したのか。

NASAの無人月探査機「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」によって撮影された月の北極の画像。PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA/GSFC/ARIZONA STATE UNIVERSITY
NASAの無人月探査機「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」によって撮影された月の北極の画像。PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA/GSFC/ARIZONA STATE UNIVERSITY

月に水がある--。こう題された記事を過去に見かけたことがあるかもしれない。これまでに多くの研究が、月に水が存在する可能性を指摘してきた。しかし、それらはあくまでも「高い可能性」だった。つまり、多くは分析結果に基づく間接的な推測や、水以外の水素系成分、例えばヒドロシ基(OH)なども含まれた結果を示していた。

しかし、米ハワイ大学やブラウン大学の研究者たちが2018年8月20日付で米科学アカデミー紀要に発表した論文が示すのは、月面の極域に水が氷の状態で存在する証拠が直接観測されたこと、そして氷は地表数ミリメートルの深さにあるという新事実だ。

水は将来月に降り立つ宇宙飛行士の生活用水になるだけでなく、水素と酸素に分解することでロケットや探査機などの燃料としても活用できる。このため、宇宙の貴重な資源として注目度が高まっている。

今回の論文から導き出された結果は、2008年から2009年の間に運用されていたインドの月周回機「チャンドラヤーン1号」に搭載されたNASAのレーダー「Moon Mineralogy Mapper(M3)」が取得した観測データの分析に基づいている。氷が観測されたのは、極域のクレーター内にある「永久影」と呼ばれる常に日陰となる領域だ。

この領域の内部は常にマイナス約170℃で保たれており、真空でも水が蒸発しない「コールド・トラップ」と呼ばれる。その中に氷が存在する可能性は、以前から指摘されていた。なお、水星や小惑星ケレスの極域のコールド・トラップでも、すでに水の存在が確認されている。

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