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全米で止まらぬ山火事と「仮説」の崩壊 地球温暖化は予測不能な段階に

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過去の実績をベースにした「仮説」は機能しない

科学者たちはこれまで、政策立案者を補佐して将来の計画を策定する際、仮説をもとにしてきた。これは「定常性」と呼ばれ、環境システムにおける極端な事象(極値)は過去の制約要件に従うという考え方だ。降雨量、河川の水位、ハリケーンの強度、山火事被害などが対象となる。

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2/6カリフォルニア州で発生した山火事の様子。2018年8月10日撮影。PHOTO: MARIA ALEJANDRA CARDONA / LOS ANGELES TIMES/GETTY IMAGES

だが、過去はプロローグに過ぎず、気候変動は仮説を灰に変えてしまった。米西部や欧州で発生した火災は、「定常性の死」を証明している。これは10年前、ある研究チームが米科学誌『サイエンス』に掲載し、物議を醸した考えだ。当時、論じられたのは「水」についてだったが、いまは「火災」も現実のものとなっている。

カリフォルニア大学マーセド校で山火事を研究するリロイ・ウェスタリング教授は次のように話す。

「もはや、われわれは過去の観察結果を手がかりにはできません。将来の計画を立てるために過去の記録を使っても、これからどんな事象が起こりうるかという、その確率を測定できる安定的なシステムなどありません。ものごとがどのように変化してゆくかを予測するために必要なのは、物理学と、事象同士の複雑な相互作用を検証する力です」

山火事は常に複雑なシステムの一部をなすものだった。気候変動がこの複雑性に拍車をかけた。具体的には、二酸化炭素やそのほかの温室効果ガスによる、地球全体の温暖化だ。この影響は何千年も続くだろう。ウェスタリングは続けた。

「それだけでなく、気候システムや生態系システム、人間が土地をどのように利用しているかといったことも、相互に影響し合っています。この相互作用の交差点は非情に複雑で、その予測となるとさらに難しくなります。新たな基準がないと言ったのは、まさにこのことです。いま生きているすべての人たちが残りの人生を過ごす間にも、気候変動はおそらく加速度的に進行してゆくでしょう」

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