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月への入植を目指す日本企業、ispaceの挑戦

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それだけでなく、彼らは次世代のロボットが人間と協力して月の資源開発を進め、「月の丘」とでも呼ぶべきコロニーを形成していくという未来を思い描いている。経済と社会の両面で地球とつながった複合的な開拓という、非常に21世紀らしいヴィジョンだ。

宇宙進出を狙う起業家の壮大な野望で終わってしまう可能性もある。しかし、ispaceには実用可能な探査機だけでなく、月面資源開発という明確な事業計画と潤沢な資金、地球規模の大きな目標がある。そして何より、故国である日本が一丸となってispaceを支えようとしている。夢のような計画だが、彼らならやってのけるかもしれない。

欧州にルーツがある“白ウサギ”

ispaceは日本企業だが、元々は欧州で発足したWhite Label Spaceという組織の一部だった。White Label Spaceは2008年にグーグルのコンテストに参加を表明。当初のゴールは2014年12月31日までに民間だけで開発した無人探査機を月面に着陸させ、着陸地点から500m以上走行し、高解像度の画像や動画を地球に送信することだった。これに成功した者は2,000万ドル(22億2,100万円)を手にすることができるはずだった。

White Label Spaceは宇宙ロボット工学の専門家である吉田の研究室と協力し、2010年には日本チームが発足した。ispaceの現最高経営責任者(CEO)である袴田武史を含む立ち上げメンバー4人は当時、全員が別の仕事をしていたという。袴田はコンサルタントとして働いていたが、そちらの仕事は週3日に減らし、残りの2日間を宇宙ヴェンチャーに使うことにした。リーダーになったのは、ほかの3人より時間的な融通が利いたからだ。

当初は欧州チームが月面着陸機を手掛け、日本チームは探査機を開発する予定で、探査機のプロトタイプは「HAKUTO(ハクト)」と呼ばれていた(SORATOという名前はあとから一般公募で決まった)。英語では「白ウサギ」という意味だが、こう聞くと、洋服を着て奇妙な穴に飛び込んでいく時計を持ったウサギを思い浮かべるかもしれない。クレイジーだが、追いかけずにはいられない何かだ。

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