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自律走行車の普及は、都市を本当に「幸せ」にするのか?

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都市の収入の大幅減はきわめて悪いタイミングで発生することになる。2007~09年の世界同時不況以降、多くの自治体が財政難にあえいでいるのだ。数十の自治体では年金の支払いなどで巨額の借金を抱えており、収入のかなりの部分を債務返済に充てなければならず、立ち行かなくなってきている。

地方自治体は、国が取り組むあらゆる緊急の社会問題に最前線で対応している。社会問題はホームレス、非識字者、不充分な医療体制などいくらでもある。失っていい収入源などないのだ。

自律走行車の出現は、都市の「弱いエリア」に大きなダメージを与えるだろう。都市全体で見れば失業率が低かったとしても、マイノリティが多い地区では失業率が突出して高い水準にあるからだ。

マイノリティが集中して住んでいる地域は、白人が住む地域に比べて教育や医療の支出がとても少ない。しかも、公共交通機関を利用しにくいことが雇用の障害となっている。住民の移動性(ソーシャル・モビリティ)は、ひとつの地点から別の地点へと安価で移動できるかどうかにかかっているのだ。

デトロイトでは自動車保険料が法外な値段になったうえに、公共交通機関が削減されたことで多くの人がクルマを使って移動できなくなった。アナーバーでの公演では、デトロイト市のモビリティイノヴェイション部門責任者であるマルク・デ・ラ・ヴェルニュが、「バスはもう走りません」と聴衆に語った。

さらに、ほとんどのデトロイト市民は年収が5万7,000ドル(約640万円)以下なので、クルマを買う余裕がないという。このためデトロイトで求職中の低所得者は、とても高価なLyftのライドシェアを利用しなければ、面接場所に行くことすらできない。

公共交通機関は必要不可欠

これはアメリカ全体の問題だ。われわれは伝統的に公共輸送機関に十分な投資をしてこなかった。投資額はGDPの1パーセント未満に過ぎない。民間サーヴィスが公共の足を補うはずだったが、実際は公共と民間が競合関係になっている。

経済が成長すれば、通常は公共交通機関の利用者も増える。だが現在、サンフランシスコでは利用者が減っている。市民の半分が、配車サーヴィスのUberやLyftを利用しているからだ。利用者が減る土地では、すでに低いレヴェルにある公共輸送機関への投資が、ますます減ることになる。

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