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IBMの新しい人工知能は、人間を「論破」する能力を身につけた

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だがディベーターは、18日のディベートで安定したパフォーマンスを見せた。これは注意深く設計されたシナリオにおいて、会話するコンピューターが人間のためにいまより多くのことを行えるようになる可能性を示している。

IBMがジャーナリストや自社のスタッフを含む聴衆に非公式の投票で尋ねたところ、どちらのディベートでも「人間よりディベーターのほうが説得力のある情報を提供した」と評価された。遠隔医療に関する議論では、医療を必要としないディベーターが、人間の対戦相手よりも多くの聴衆の心を揺さぶったのだ。

ディベーターの戦略は、大きくふたつの要素で構成されていた。ひとつは、「数億件の論文や資料を調べ、自身の主張の裏付けに利用できる文章を引用すること」。もうひとつは、「やや感情的な表現をしたり、ときにはジョークを言ったりするためのフレームワークをあらかじめ用意し、チャンスを見て発言すること」だ。

ディベーターがザフリルに対する反論を始める際に「もし自分に血があったなら、怒りで頭に血が上っていたでしょう」と言う場面もあった。

完璧ではないが「高い完成度」

スコットランドにあるダンディー大学で教授を務めるクリス・リード(専門はコンピューターサイエンスと哲学)は、このプロジェクトに関与していないが、18日のディベートに聴衆として参加した。リードは『WIRED』US版に対し、「研究チームが披露したテクノロジーはかなりの完成度だった」と語った。

リードが特に気に入ったのは、ディベーターが時折、反論に先手を打とうと試みていたことだ。こうした戦略は、「予弁法(事前反駁)」と呼ばれる。ディベーターはオヴァディアとの議論で、「彼女は『補助金は必要ですが、宇宙探査のためではありません』と言うかもしれません」と述べた上で、「何に補助金が必要なのかを示すデータを彼女が提示してくれるのなら、ぜひとも拝見したいものです」と語った。

とはいえ、ディベーターの議論展開が完璧だったわけではない。対戦相手の主張に対して、人間とまったく同じようなかたちで反論するのは難しいようで、批判されたポイントのうち、うまく反論できないものもあった。例えば宇宙探査に関する議論では、「原子力を利用した宇宙探査は、核兵器が軌道上に配備される懸念をなくすのが目的です」という的外れな発言を行なった。

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