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サッカーW杯で賛否両論 「VAR」によるビデオ判定導入の舞台裏

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FIFAのメンバーの大半は過去に何回も誤審と見られる判定があった事実を認めており、VARは概して肯定的に受け止められていた。例えば、10年のW杯欧州予選のプレーオフでは、フランス代表ティエリ・アンリのハンドがあった。

決勝トーナメントでは、イングランド代表フランク・ランパードのシュートがゴールラインを越えていたにも関わらず、得点が認められない事態が起きている。誤審がこれだけ続くようなら新しいシステムの導入は当然の流れだと、誰もが考えていたのだ。

ブラッドは「こうした問題は審判補助システムを使っていれば簡単に防ぐことができたはずです」と指摘する。「もし2010年の段階でVARの導入を検討すると言ったら大きな反対にあっていたと思います。しかし、いまではヴィデオ判定は審判がより正確な判断を下すのに役立つという見方のほうが一般的です」

メキシコースウェーデン戦でのVARによる判定の様子。PHOTO: MATTHIAS HANGST/GETTY IMAGES

この時点では、VARはオランダのプロリーグ「エールデヴィジ」の模擬試合で何回か試されただけで、国際大会などの大きな試合での導入実績はなかった。IFABは16年3月に開いた年次総会で、2年間にわたる試験運用を行うことを決め、直後に行われたイタリアとドイツの国際親善試合で初めてヴィデオ判定がテストされた。

その結果は「大成功でしたよ、何も起こりませんでしたからね」と、ブラッドは笑う。「すべての試合で使う必要はないだろうとは考えていましたが、まさにそれが証明されたわけです」

当初は試合のほとんどの場面でVARを活用することも検討されていたが、すぐにそれは現実的ではないことがわかった。このため「最小限の介入で最大限の効果」を引き出すよう方針転換がなされた。

ヴィデオ判定を利用できるのは、試合の行方を左右するような状況での「明らかな誤審」に限られる。そして、VARに頼ることができるのは、(1)ゴールやゴール直前のプレイ、(2)ペナルティーキック(PK)、(3)レッドカード、(4)審判による選手誤認の4つの判定だけだ。

ブラッドはこう続ける。「試合の流れは速くなっており、審判がフィールドで起きていることをすべて把握し、常に正しい判定を下すのは困難です。ただ、あらゆる判定を完璧にしようとしているわけではありません。ここに誤解があると思うのですが、わたしたちはいつまでも語られるような大きな誤審をなくす努力を始めただけです。いちいち試合の流れを止めて、すべてのプレーを確認するようなことをやろうとしているわけではないのです」

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