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バッテリーが大容量化と「発熱問題」の解決を両立する日がやってくる

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リチウム金属の採用で大容量化が可能に

リチウムイオン電池には安全性をめぐる懸念という大きな問題がつきまとう。1980年代後半に世に出た直後から何度も発火事故が起きており、携帯電話の大がかりなリコールの原因にもなった。

しかし、パデュー大学のムカージーなどは、過去5年で状況は大きく変わったと指摘する。負極材にリチウム金属を用いた大容量のリチウム金属電池が市場に出回るようになったのだ。

背景にあるのはEVの普及だ。17年12月に科学誌『Nature』に掲載された論文で、エネルギー省の専門機関であるエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)のチームは、「現行のリチウムイオン素材のプラットフォーム」が22年までに重量、エネルギー密度、コスト面の3点でエネルギー省の設定した目標をクリアするのは難しいだろうと述べている。一方、リチウム金属電池なら最大で50パーセントの大容量化も可能だ。

エール大学の研究チームが今年5月に、『米国科学アカデミー紀要』でリチウム金属を用いた電極に関する論文を発表した。「ディープサイクルバッテリー」に関する研究で、80パーセント以上の放電サイクルでの動作を前提とした技術だ。

チームを率いたハイリャン・ワンは「バッテリー効率を80~90パーセントに保つ方法」に関するものだと説明する。グラスファイバー製のセパレーターを事前にリチウム硝酸塩溶液に浸しておくことで、放電中にリチウム硝酸塩がゆっくりと排出され、「電極のパフォーマンスが著しく向上する」という。

だが、発熱という最大の問題が完全に解決したわけではない。ワンのチームは研究室内部の実験では、リチウム金属とセパレーターの保護剤という組み合わせが機能することを証明したが、それが実世界にも応用できるかは不透明だ。

ワンは電話でのインタヴューで、「きちんとコントールされた環境における小規模な実験でした。安全性に気を配る必要はなかったんです」と話す。「前進であることは確かですが、実用化にはほど遠いでしょう」

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