PR

WIRED WIRED

ハチにQRコードをつけたら「コロニーの神秘」が明らかに

Messenger

ヒエラルキーも指揮命令系統も存在しない

ここでひとつの疑問が浮かぶ。危険に満ちた外の世界へ食料調達係として飛び立つ大役を、ハチたちは明確な命令を受けることなくどうやって分担しているのか。

「昆虫の社会は分散型で、典型的な複雑系です。部屋の照明はついているのに、住人は不在で、誰がつけたのかわからないようなものです」と語るのは、カール・ウーズ・ゲノム生物学研究所の所長、ジーン・E・ロビンソンだ。今回の研究には参加していないが、「働きバチに行動の指示を出す個体はいません。ヒエラルキーも指揮命令系統も存在しないのです」と説明している。

つまり、食料係が死んだとき(あるいはこの研究のように、おせっかいな研究者に捕まったとき)、どの個体が後任を引き継ぐかを決める要素がほかにあるということだ。

そこで研究チームは、コロニー内部でのハチの行動パターンに注目した。食料係が集めてきた食料を蜜壺に貯めこむ、「食料貯蔵庫」周辺での行動も含まれる。ちなみにマルハナバチは成虫なら花蜜を食べ、幼虫には花粉を与える。調査の結果、働きバチはそれぞれ巣内の異なる場所で活動するが、どの個体も毎日同じ場所に戻ってくることがわかった。

「その個体がそれまでどこにいたか。それだけが、どの個体が役割を交代するのかを予測できる要素のようでした」とクロールは言う。「ほとんどを巣の食料貯蔵庫で過ごした個体が、その場所に関する最も正確で最新の情報を持っています。『よし、そろそろ食料を集めに外へ出て、このまずい状態をなんとかしよう』という具合です」。冷蔵庫の牛乳を飲み干した人が、補充する責任を負う状況に似ている。

PHOTOGRAPH COURTESY OF JAMES CRALL/HARVARD UNIVERSITY

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ