PR

WIRED WIRED

火星探査機インサイト、NASAのチームが語った期待と「困難な道のり」

Messenger

何週間もかけて地下深くまで計測

地震計の設置が済んだら、次は第2の観測機器「HP3(Heat Flow and Physical Properties Probe)」の番だ。巨大な釘のような18インチ(45.72cm)の探針(プローブ)をもつ熱流量測定装置で、地中16フィート(4.87m)の深さまで差し込むことができる。ここまで深いと地表面の温度変化の影響は受けない。

インサイトの副研究責任者スザンヌ・スマレカールは、「地球上で熱流量の計測をするには、もっと深い穴を掘らなければなりません」と話す。土が湿気を帯びているため、熱が深部まで伝わるからだ。「ですから相対的に見れば、火星は観測が簡単な星だとも言えます」

HP3にこの言葉を聞かせてやりたいものだ。火星の地面を目標の深さまで掘り進めるには何週間もかかり、途中で何回か休んで周囲の土壌の熱伝導率を調べる。

プローブには糸に通したビーズのように温度センサーが付いており、温度と熱流量の両方を計測することで、火星内部でどのくらいの熱が発生しているか知ることができる。熱量の大小は物質組成や地球との比較に役立つだろう。

「本当に難しい挑戦」

しかし、インサイトが火星の温度や揺れを観測するには、地球との間に広がる寂しく不毛な宇宙空間を旅して、無事に目的地に着陸しなければならない。胸が踊るが、同時に「すべてがとても恐ろしくもあります」とアリベイは言う。

「わたしたちが打ち上げようとしているロケットは、かろうじて制御できる爆弾のようなものです。打ち上げ後、6カ月も真空に近い空間で太陽エネルギーの荷電粒子にさらされ続けることになります。それに、火星に確実に到達する必要があります。失敗したからといってUターンして戻ってくるわけにはいかないのです。火星に着いたらうまく着陸しなければならず、それが済んだら次は機器類を展開する必要があります。この過程のどの部分でも、間違いは起こり得るのです」

アリベイは悲観論者ではない。彼女はエンジニアで、失敗や誤算に備えるのは仕事のうちだ。そして歴史を振り返れば、火星探査のミッションの成功率は50パーセントを割り込んでいる。

「自分たちが何をしているのかわかっていなかったから失敗したのではありません」と、アリベイは言う。「火星探査は本当に難しい挑戦なのです」

だからと言って、NASAが諦めることはない。結局のところ、宇宙に行くのは簡単ではないのだ。

RELATED

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ