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砂糖は抗生物質に代わる「未来の抗菌薬」になるかもしれない

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先進国で使うほど効果が高いという皮肉

砂糖を使った治療は非常に現実的であると確認できたが、実際にはどんな場合に活用できるだろう。最初に思い浮かぶのが、ムランドゥも強調しているように、発展途上国で低コストの消毒薬として利用するというものだ。こうした国々では、最新世代の医薬品や治療法のコストが高すぎることがしばしばある。

効果的であるとはいえ、発展途上国で活用しようとすると少なからぬ欠点も生じるかもしれない。カルネヴァーリが強調しているように、砂糖を使った治療の主な問題は、ウジに対しては逆効果とまではいかないにしても、効果は全くないからだ。しかし、熱帯性気候の国々では、傷を負うとウジの発生は避けがたい。

さらに、砂糖を使った治療は、酵母菌や菌類の成長を促進する可能性がある。これは完全に無菌ではない環境下では、現実味のある危険と言えるだろう。

要するに、砂糖を使った治療がより必要とされる場所ほど、デメリットも生じやすいのだ。むしろ工業化された国々においては、最大の恩恵をもたらすことができるだろう。抗生物質や包帯が好きなだけ利用できる先進諸国でも、傷のケアのような単純に見える分野では非常に深刻な問題を抱えている。

専門家は「問題は細菌などが抗生物質に対する耐性をもってしまったことです。傷の分野ではとりわけ深刻な非常事態となっています。なぜなら、慢性的な傷や潰瘍を抱える患者はたいてい、抗生物質を何サイクルも使っていた過去をもっています。また、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-Resistant Staphylococcus Aureus:MRSA)やシュードモナス、クラブシエラのような多剤耐性細菌の感染がよく見られます。クラブシエラは現在、イタリアで最も危険度の高い細菌の一種です」と話す。

こう聞くと砂糖は、耐性菌と戦い、抗生物質の使いすぎを避けるために非常に有用な武器となることがわかるだろう。また、銀イオン包帯のようなハイテク包帯に代わる選択肢となる。この包帯は効果的だが、欠点がないわけではない。目に見えなくとも汚染されている可能性が高いからだ。

先進諸国の病院のような安全な環境では、砂糖を使った治療で生じる恐れのある問題の大部分は避けられるだろう。確かに、国際的な大手製薬企業はどこも、こんな代替治療など計画しないはずだ。しかし、砂糖を使った治療の限界を最適化するための研究を禁じられているわけではない。カルネヴァーリが示唆したように、塗布の頻度や浸出の危険、治癒プロセスの初期段階でしか効果がないといったマイナス点を改善できる可能性はある。

実際に診療で活用されるというシナリオも現実味を帯びてきた。ムランドゥはBBCの取材に対し、研究の目的について、ウルヴァーハンプトンに砂糖を使った治療を専門とする診療所を開くことだと認めた。いつか、英国やほかの国でも公的に認可される治療法を開発したいという希望をもっている。

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