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「空気から水をつくる」パネルで飲料水はできるのか? 砂漠にもち込んで、ひと晩を過ごしてみた

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「空気から水をつくる」パネルで飲料水はできるのか? 砂漠にもち込んで、ひと晩を過ごしてみた

つまり理論上は、誰でもこのパネルをトラックの荷台に乗せて砂漠まで走っていけば、そこでも水のある生活を送れる。ゼロ・マス・ウォーターの創業者兼最高経営責任者(CEO)であるコディ・フリーセンは当初、そんな机上の空論など実現しないと疑っていた。

彼はアリゾナ州立大学で物質科学の教授も務めている。電話越しに「独創的な考えだ」と評価してはくれたものの、ラジオのパーソナリティーになれそうな低音ボイスで、ハイドロパネルが乗り物用に製造されたものではないことを何度もがなるように繰り返した。

パネルの重さは275ポンド(約124.73kg)で、庭に置いたり屋根に取り付けたりするものであり、トラックの荷台に載せることを想定したものではない。砂漠特有のでこぼこ道も心配だと言う。それでも引き下がらずにいると、エンジニアチームと相談をしたうえで、今回だけトライしてもいいと承諾してくれた。

パネルがトラックに装備されたと知らせを受けてスコッツデールに到着したあと、フリーセンに「うまくいくでしょうか?」と聞いてみた。彼はニヤリとして、「多分な」とだけ返した。

水をもたず、ハイドロパネルとともに砂漠へ

パネルを乗せた黒いトヨタ自動車のピックアップトラック「タンドラ」で北東へ向かい、高地の砂漠を目指した。ゴツゴツしたスーパースティション山脈を超え、ソノラ砂漠との境にあるモガヨン・リムの断層崖をどんどん登って行った。市内を出発してから5時間後、路肩にクルマを止めて、空がオレンジからピンク、紫色へと変わるのを眺めた。

口の中が乾くと同時に、喉が締めつけられるように感じた。黒いパネルに向かって歩き始めた。サイズや形はトラックの荷台とほぼ同じで、上向きに35度に傾いており、厚さは5インチ(約12.7cm)ある。ここでまた自分に問いかけてみた。生き延びるための水は生成できるのだろうか?

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