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手術支援ロボットは革新をもたらしたが、「未熟な研修医」を増やしていた

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一時的な問題にすぎない可能性

 ただし、ロボットを使った研修には利点もある。従来の開腹手術では、主治医と研修医は手術を文字通り異なる視点から見ている。臓器が入り組み重なり合う体内で手技を行ううえではやっかいな問題だ。だがロボットを使えば、両者はカメラを通じてまったく同じ映像を見られる。それに、術後に主治医が録画映像を研修医に見せ、手術の解説をすることもできる。

 だが、そんなふうに丁寧に教えてもらえない研修医は、ビーンが言う「自主練」に頼りがちだ。彼らは正規の研修の外でシミュレーションを重ねたり、YouTubeで繰り返し手術動画を見て覚えるのだ。

 有益なことに思えるかもしれないが、考えてみてほしい。上達が主治医の目にとまり、コンソールを長時間使わせてもらえるのは、自主練を積んだ研修医だ。こうして研修医のあいだの技術差はさらに開いていく。

 とはいえ、ここまで触れずにいたが、いいニュースもある。手術研修における熟達度のばらつきの問題は、時間が解決してくれるかもしれない。ビーンは、「わたしが話したトップクラスの医療機関の先進的な外科医の多くは、手術は今後は間違いなく減っていくと述べました」と語る。

 「50年後に現在を振り返ったら、こんなふうに思うかもしれません。『なんだって? 治療のために患者を切り開いてた? 冗談だろ?』」。彼が思い描いているのは、ナノボットなどを用いた非侵襲的治療法のことだ。

 外科手術はロボットがいち早く導入された分野だ。ダ・ヴィンチ・システムは医療費の増大を招いたが、一方でロボット手術は回復期間が短いため、入院日数を削減できる(ただし、手術ロボットの不具合が原因で患者が負傷する場合もある)。

 将来、医師から機械への権限移譲が進めば、手術研修に伴う問題は過去のものになるだろう。ビーンは「この問題に頭を悩ませるのも、あとしばらくの間だけです。いずれ生身の医者の出る幕はなくなるのかもしれませんね」と語っている。

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