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電気自動車が普及すると、電力網を「破壊」する? 問題解決のために、いまやるべきこと

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電力需要に対応する「簡単」な方法

 地域の電力網が限界に達した場合、その最初の兆候は電柱に取り付けられている変圧器で見られるだろう。夏の暑い時期には誰もがエアコンをフル稼働させるため、円柱型の金属変圧器からブーンという大きな音が聞こえてくる。この音は、電線で送られてきた高圧電力を、住居での利用に適した120~240Vという比較的低い電圧に下げるときに発生するものだ。

 手に負えないほど複雑な政治の世界とは異なり、電力需要の急増への対応は簡単だ。電力会社はまず変圧器の数を増やすことで、いまより多くの高圧電力を、住居での利用に適した電圧に下げられるようになる。しかしその後、エンジンで動く自動車からテスラ車や「シボレー ボルト」に乗り換える人が増え続ければ、より多くの電力を送る必要が出てくる。

 この問題を解決するには、より多くの電力を送電できる新しい電線を増やせばよい。もっとも、このような電線は言うまでもなくコストがかかる。そのコストはEVを買った人だけでなく、買っていない人も分担することになるだろう。

 だが、ベシール教授などの専門家は、米国人の労働習慣が根本的に変わらない限り、このような設備増強のコストについては、EVのもたらすメリットがある程度相殺すると考えている。そう言える理由は、あらゆる経済学者が昔から親しんでいる言葉にある。つまり、需要と供給の法則だ。

 「1日という時間で考えれば、電力需要は低いレヴェルで始まり、早朝になって人々が仕事の準備や家事を始めたりするにつれて高くなっていきます」と、アルゴンヌ国立研究所の交通研究センターで車両システムアナリストエンジニアを務めるジャロッド・ケリーは説明する。需要のピークは人々が職場から帰宅し、夕食を食べたりNetflixを見たりする午後6時ころだ。

 その後、電力需要は深夜に向けて下がっていく。夜間や深夜の時間帯は、EVを駐車場や路肩に駐車しておける時間帯であり、最も安いコストで充電ができる。そして、EVメーカーはこのことをよくわかっている。

 「ほとんどのEVでは、持ち主が『朝8時に出る予定だ』と指定しておけば、充電に必要な時間をコンピューターが計算し、持ち主が出かける時間までに充電を完了できるようになっています」とケリーは言う。つまり、EVの電力需要は夜の時間帯に高くなるのだ。

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