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日産のクルマは将来、「考える」だけで危険を回避できる 「脳波」で運転できるシステムがもたらす未来

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日産のクルマは将来、「考える」だけで危険を回避できる 「脳波」で運転できるシステムがもたらす未来

ヘッドギアはワイヤレスで、片側にはブルートゥースの送信装置、もう片側にはバッテリーが付いている。快適だが、見た目はクールとは言い難い代物である。

ヘッドギアはそれでも製品化のできそうな見栄えだが、B2Vはまだ研究プロジェクトの段階にあり、日産は実用化に向けた検討を続けている。脳波測定の基本的な技術はあるが、現実世界の運転でどれだけ役に立つのか? ブレーキや衝突回避に使えるのか、それとも音量を上げる程度のことしかできないのか?

ここで“スマート”な自動運転システムという話が出てくる。センサーやビルトインの地図を使って車外の環境を調査し、コンピューターに学習させて次の動きを予測させるのだ。例えば「ドライヴァーがハンドルを切るとすれば、左に曲がるだろう。右に曲がれば向かいから来るあのクルマにぶつかるか、歩道に乗り上げてしまうからだ」といった具合だ。

そしてコンピューターはドライヴァーが動き出す前に、その方向に向かって曲がってみせる。その左折が障害物を避けるためのものなら、少しでも早くクルマを動かし始めることで、障害物を回避できる可能性が高くなる。ギョルゲはドライヴァーの脳波で、例えばラジオをつけようとする信号と、運転そのものに関連した動きをするための信号は区別できると話す。

脳波で飛行機も飛ばせる時代に

人間の思考を読み込もうとするシステムはどんなものでも、利便性はもちろんのこと、安全性のためにその予測は完璧なものでなければならない。

ミシガン大学交通研究所で人間とクルマの関係を研究するアヌジ・プラダンは、「文字を入力する際の単語の自動修正や、Googleのオートコンプリートといった機能を想像してみてください。それを時速60マイルの状態で実行するのです」と言う。「人とクルマという2つのシステムが同じ波長を共有できなければ、大変なことが起きる可能性もあります」

モビリティーの世界で脳波の利用を考えているのは日産だけではない。わたしは2016年に、頭で考えるだけで小さな飛行機を飛ばした[日本語版記事]ことがある(完全に新しい体験だった)。この飛行を可能にしたシステムを作ったハネウェル・エアロスペースは、将来的にはチェックリストに目を通すといった単純作業に同様のシステムを使うことで、パイロットはより重要性の高いタスクに集中できるようになるとしている。

一方、スタンフォード大学では脳波や心拍数、瞳孔の大きさといった生体信号を測定し、運転の際に必要な思考力を測ったり、認知的にどれくらいの負荷がかかっているのか、ドライヴァーが本当に集中しているのはどんなときかを調べたりする研究が行われている。ここから、運転中に特に注意を要する瞬間(歩行者が突然現れる、悪天候、渋滞する交差点を通過するときなど)にはテキストメッセージのような通知を受け付けないようにするスマートシステムが生まれるかもしれない。

スポーツカー感覚の運転も可能に?

また、テスラの「オートパイロット」ように半自動運転モードがあるクルマでは、人工知能(AI)がドライヴァーの精神状態を把握できるようにもなる。運転を代わってもいいか尋ねたり、運転席に座っている人は携帯に夢中になっているかどうか察知したりもできるだろう。

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