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平昌五輪は、こうして「北朝鮮の脅威」からも守られる-多国籍部隊による保安活動の舞台裏

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平昌五輪は、こうして「北朝鮮の脅威」からも守られる-多国籍部隊による保安活動の舞台裏

五輪のような一大イベントの場合、開催の数カ月前か、下手をすれば数年前から開催国に専任の人員を派遣し、対応を行う。今回の大会では米国と韓国の強い繋がりだけでなく、韓国の技術力が大いに役立った。サムスンやLGといったテック企業を抱える同国は、サイバーセキュリティーに熟知しているのだ。

DSSで防護を専門にするリック・コロンは、「韓国の五輪開催能力については非常に信頼しています」と言う。「米国と韓国は当初から緊密な連携を続けていますし、五輪とパラリンピックのどちらについても包括的な安全警護計画の策定が完了しています」

実際、大会組織委員会(POCOG)には韓国警察庁、国家情報院、大統領室警護室、韓国軍など、そうそうたる機関が含まれている。

細かな人員配備

DSSは2年ほど前にソウルに現地の大使館を拠点とする部員2人を派遣し、五輪警備に向けた準備に着手した。まず取り組んだのは、セキュリティーチェックや他機関との連絡における手順の確立、大会期間中の緊急時の対応プラン、部員の配置案の調整だ。

韓国に向かう要員は、大規模なイベントや同国での活動の経験、韓国語の能力などを基準に選ばれた。彼らは救急処置および五輪で使われる通信システムについてのコースに加え、想定される全シナリオに関して追加の訓練を受ける。

現地では2つの会場のどちらにもフィールド連絡員と呼ばれる部員20人超が配置される。片方は開会式と閉会式、スキー、スノーボード、滑走競技(ボブスレー、ルージュ、スケルトン)などの競技が行われる平昌の山岳グループ。もう片方は、スケート、ホッケー、カーリングが行われる海岸部の江陵(カンヌン)のグループだ。

DSSで五輪セキュリティ・コーディネーターを務めるクレイグ・リースタッドは、「各会場に人員が割り当てられ、そこで競技に参加したり練習を行う特定のチームをモニタリングしたりします」と話す。「その役割は会場にいて目と耳の役割を果たすことです。彼らは何らかの異常がある、つまり通常と少しでも異なることが起きた場合に、チームをいかに危険から救い出し、どこに移動させるべきか完全に心得ています」

両会場から鉄道で2~3時間離れたソウルでは、さらに数十人の部員が共同運営センターに駐留し、会場に配備された人員やそのほかの警備機関、地元警察、消防、軍と連絡を取り合うことになっている。それ以外のDSSスタッフは、韓国側の指令センターで任務に当たる予定だ。

また会場の2グループにはどちらも状況把握のためのチームが付属し、潜在的な問題がないか会場外のエリアを監視することになっている。彼らの責務には、例えばVIPなどの到着に備えた道路規制が滞りなく行われているか確認したり、突然起こった交通事故が仕組まれたものではなく本当に偶発的な事故か検証するなど、ごく平凡な仕事も含まれる。しかしこれらは、まずは会場外から発生するかもしれないあらゆる潜在的な脅威に対する絶え間ない警戒活動の一環なのだ。

一方、警護には直接は関与していないが、緊急時には即時対応を要請できる組織が存在する。1957年以降ずっと韓国に駐留している米太平洋軍(USPACOM)だ。この在韓米軍の存在により、最悪の事態が発生した場合でもわずか数分で3万人以上を動員することが可能になっている。

守りの鍵を握るのは情報共有

会期中は毎朝、DSSの担当者が必要に応じてほかの機関の人員を交えながら、あらゆる出来事や地元警察の動き、注意を要する情報などについてブリーフィングを行う。韓国側からも情報が更新される。

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