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歩行者へのメッセージも投影できる「スマートヘッドライト」は、自律走行時代の「標準」になれるか

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歩行者へのメッセージも投影できる「スマートヘッドライト」は、自律走行時代の「標準」になれるか

 この技術を応用したのが、今回発表されたスマートヘッドライトである。対向車のドライヴァーを邪魔することなく道を照らすだけでなく、道路上に文章やアニメーションを映写するようにプログラムすることも可能だ(TIは実際に、CESでこうしたプログラミング機能を備えた新型DLPチップセット「DLP5531-Q1」を売り歩いていた)。

 プログラム可能なヘッドライトシステムを開発しているのはTIだけではない(例えばアウディは昨年、レーザーを使った同じようなシステムを発表した)。だが、解像度は現行の製品では最高だという。さらにTIのシステムは、どのような光源でも使えるので、しゃれたレーザーライトのために普通のLEDライトを諦める必要はない。

 この製品でまず思いつくのは、対向車線の向こうからクルマが近づいてきているときに、ハイビームを保ちたい場合だ。システムは対向車のヘッドライトの位置を車載カメラで自動追跡し、対向車が近づくにつれその方向に向いている明かりを少しだけ暗くする。同様に、車載センサーが道路標識や道路に侵入した動物などドライヴァーに注意を促したいものをとらえたときに、その方向も少し明るく照らすことができる。

歩行者へのメッセージや「横断歩道」も投影可能

 こうしたヘッドライトは将来的に、自律走行車に不可欠となるだろう。TIのブライアン・バラードは、「このチップセットはADB(配光可変ヘッドランプ)をサポートするために開発したものですが、道路に情報を投影するようにプログラムすることも可能です」と話す。

 ドライヴァーのいないクルマは、道を渡ろうと待っている歩行者に対して「どうぞ」と合図することができない。路上に横断歩道を投影したり、「渡ってください!」というメッセージを書くヘッドライトがあれば、コミュニケーションギャップを埋めることができるだけでなく、交通事故防止策にもなる。社会における無人車の受け入れにも貢献するだろう。

 TIによると、顧客の自動車メーカー(具体名は明かしていない)がこの技術の導入を進めているが、アメリカでは当面はこうしたヘッドライトが販売される予定はないという。はるか昔に定められた合衆国安全規則では、自動車はハイビームとロービームにそれぞれ別の光源を装備することが定められており、TIのシステムでは光源はひとつだからだ(アウディのスマートレーザーライトも同じである)。

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