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火星の表面のすぐ下に、「きれいな氷」が発見される 米探査機のデータ分析から明らかに

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火星の表面のすぐ下に、「きれいな氷」が発見される 米探査機のデータ分析から明らかに

 NASAは深宇宙での人類の生存において「現地資源の活用(In-Situ Resource Utilization=ISRU)」が不可欠との考えを示している。ISRU計画において重要となるのは、氷が地表からどれだけの深さにあるのか、そして純粋な氷と土とが混ざった部分の割合だ。氷の純度が高く、また地表の近くに存在するのであれば、採掘して利用するのに必要な労力が少なくて済む。

 今回発見された氷は完全に純粋ではない。これまでの調査から、氷は固体から気体に変化することで(この変化は昇華と呼ばれる)、水蒸気として火星の大気中に徐々に放出されていることがわかっている。昇華の過程で、異物のうち大きな塊や堆積物は取り除かれるようだったが、細かいものは残ると考えられている。

ダンダスの調査チームは、この氷は元は雪であり、何百万年もかけて降り積もったものだと推測する。混じっている岩のような物質は降雪と降雪の合間に混じり込んだもので、それ以外の部分は比較的綺麗なのではないかという。

 NASAの無人探査機などの研究開発と運用を行うジェット推進研究所で火星プログラム部門の主任研究員を務めるリチャード・ズレックは、「火星で何か明るいものを見つけたら、たいていは氷です」と話す。火星の物質のほとんどは光を反射しないからだ。

 ズレックは今回の調査には関わっていないが、次のように分析している。「調査対象となった地点のアルベド測定値は、露出部分がかなり明るい物質であることを示しています。また分光器を使った測定で、これが氷に覆われた土壌ではなく、氷床であることが裏付けられました。氷に覆われた土壌だった場合、水として資源活用するのは難しくなります」

地中の氷まで調査する計画

 ただし、火星旅行の荷造りにはまだ早い。ダンダスのチームが調べた8地点はすべて、火星の赤道から南北55~60度の中緯度地帯に位置し、気温が極端に下がることがある。また今後の有人探査においてもそうなるだろうが、火星へのミッションは大半が着陸地点を緯度30度以内に制限している。ズレックは「暖かくしていたいなら、アラスカよりはハワイがいいでしょう」と言う。

 しかし赤道近くは気温が高いため、氷の層は採掘が困難な地中深くに位置する。ズレックによれば、基地を置く前にこうしたことに関して調査する必要がある。

そして、こうした調査は実際に計画されている。ダンダスは「現時点で地表に露出した氷をすべて発見したわけではありません」とし、赤道近くにも露出した氷が存在する可能性を示唆した。

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