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「抗生物質まみれ」の食肉産業は今後どうなる 業界の「闇」に迫った科学ジャーナリストが語った

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「抗生物質まみれ」の食肉産業は今後どうなる 業界の「闇」に迫った科学ジャーナリストが語った

『WIRED』US版:あなたはこれまで10年以上にわたって、抗生物質耐性菌の増加について書いてこられました。これが実際には鶏肉産業に関する話だと気づいたのは、いつごろですか。

マケナ:そのアイデアは、7年前に書いた前の著書である『Superbug』に取り組んでいたときに始まりました。あのプロジェクトに参加したとき、わたしはMRSAの流行には2種類あると考えていました。ひとつは、病院で発生したもの。これは抗生物質時代のかなり早い時期までさかのぼります。もうひとつは1990年代に発生した、より規模が大きくて謎の多い、子どもたちが死亡しプロのアスリートたちの経歴を終わらせた、コミュニティでの流行です。あのときは、社会として取り組むための備えがまったくできていませんでした。

一方で、取材を続けるうちに、かなりあとになってから、流行は2種類ではなく実際には3種類あったと気づいたのです。その3つ目が、農場でのMRSAでした。抗生物質に対する耐性ができたのは病院で処方される薬のせいだと人々が非難していたのと同じ時期に、農家では大量の、年間6万3,000トンといった規模の抗生物質が家畜に与えられていたことに気づいたとき、わたしはその理由を理解できませんでした。それについて詳しく調べるうちにわかってきたのは、どのような場合でも薬の使用は控え目にして注意すべきだと言われるのに、農業ではそれが日常的に忘れられているということでした。そのような認識の不一致があるときに、とてつもない話が出てくるものです。

WIRED:それは例えば、米国で一時、「アクロナイゼーション」(鶏肉などを出荷前に抗生物質の液に浸すこと。「Acronize」は抗生物質の一種)が熱心に行われていたときのことですか? あれは実に驚きでした。

マケナ:あれはいまでも信じられません。1950年代と60年代初めにアクロナイゼーションがどれほど広範に行われていたか気づいたとき、こう思ったことを覚えています。「当時の人たちは、米国のすべての鶏肉を抗生物質の液に浸けてからパッケージに密封し、こうすれば商品棚に1カ月置いても悪くならず、人が食べても大丈夫だと本当に思っていたのだろうか。彼らは気が狂っていたのだろうか」。あの話は、科学によってわれわれの生活がもっとよくなるという単純な確信が極限まで純粋に蒸留されるとどうなるかをわたしに教えてくれました。これはどの歴史の本にも書かれてはいません。何かの脚注に関する別の脚注を読んでいるときに偶然見つけたのです。

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