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北朝鮮にハッキングできたとしても、「ミサイル」までは止められないかもしれない

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北朝鮮にハッキングできたとしても、「ミサイル」までは止められないかもしれない

米国の破壊工作は克服されている?

米シンクタンクの大西洋評議会の特別研究員ジェーソン・ヒーリーによると、北朝鮮に対する米国のサイバー作戦は2種類に分けられる。まず、北朝鮮からの攻撃とその諜報活動を阻むためのもの。そしてミサイルプログラムといった物理的な基盤を破壊するためのものだ。このうち前者は、限定的かつ一時的な結果しか残せてはいないものの、十分に遂行できている。しかし後者は、ヒーリーが「取り残されている」と描写するように、北朝鮮ほどにネットワークから隔絶された敵が相手では非常に難しい。

ヒーリーはアメリカ航空宇宙局(NASA)とイスラエルの諜報機関が2009年にイランの核濃縮施設に対する破壊工作を行うために使用した「スタックスネット」と呼ばれるマルウェアに言及したうえで、「北朝鮮のロケットシステムに侵入して使用を不可能にし、『スタックスネット』で攻撃したいのはやまやまだ」と話す。「しかしこれは非常に、ほとんど信じられないほどに困難だ」

2015年にロイターが報じたところでは、米国は10年に北朝鮮に対してスタックスネット型の破壊工作を試みた。金(キム)政権が核兵器を製造し、長距離核ミサイルを発射する能力を手にする何年も前のことだ。しかし、作戦は失敗に終わった。ハッカーたちは、北朝鮮の核兵器プログラムを制御する閉ざされたコンピューターシステムに侵入することができなかったのだ。

より最近では、『ニューヨーク・タイムズ』が今年3月、米国がソフトウェアおよびハードウェアの製造過程を狙うサプライチェーンに攻撃を仕掛け、北朝鮮のミサイル計画を阻止しようと試みたと報じている。近年では北朝鮮のミサイル発射の失敗率は88%に達しており、こうした攻撃は少なくとも部分的には機能しているのかもしれない。

しかし過去数カ月にわたり、米国本土に到達可能な大陸間弾道ミサイルの発射が相次いで成功した。もしサプライチェーン攻撃がある時点でうまくいっていたとしても、こうしたミサイル発射実験の成功が示唆するのは、北朝鮮が米国の破壊工作を克服した可能性が高いということだ。

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