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自分の傷を自分で“治す”--自己修復機能のあるロボット、ベルギーの大学が開発

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自分の傷を自分で“治す”--自己修復機能のあるロボット、ベルギーの大学が開発

もちろん、理想はソフトロボットが熱をあてなくても自己修復できることだろう。しかし、いまの方法にもメリットはある。「われわれが回復をコントロールできるのです」とテリンはいう。「将来的には、ロボットが自ら最適だと判断したタイミングで温度を上げ、修復を始めることも可能です」

そのためには、ロボットが自分で自らが怪我をしたことを認識しなければならない。研究チームが次に取り組んでいるのは、いくつものセンサーを搭載した素材である。傷の場所を正確に把握し、そこへ熱を集中させて修復を行うのだ。ロボットが通常の摩耗やひびといったミクロの傷を感知し、先んじて癒し始めることも可能になる。

このシステムは、動物が傷を癒すのとそっくり同じ方法をとるわけだ。これは、たとえばロボットに内蔵されたマイクロカプセルが治癒物質を解き放つというような、これまでの修復法とは異なる(マイクロカプセルを使った方法は、ガラスのような堅い構造物には適している。さらに、温度変化がなくとも機能する)。

テリンとその研究チームは、既存のテクノロジーを応用したのだ。「彼らは、可逆性のある共有結合をもつことが前から示されていたディールズ・アルダー・ポリマーを採用し、それを生態模倣的な方法で適用したのです」と、自身も自己回復物質を研究するノースダコタ州立大学のマイケル・ケスラーはいう。

ソフトロボットのポテンシャル

テリンらの修復法のマイナス面として熱のほかに挙げられるのは、その効率だ。

「主な懸念点は、自己修復に要する時間と加熱です」とリーズ大学のロボット工学者ピエトロ・ヴァルダストリはいう。「80度で40分間の過熱、さらに冷却時間も加わるとなると、応用先によっては所要時間が長すぎる可能性があります」

しかしそれはいまの話だ。自己修復機能はこれからも改良され続けるだろうし、現在は主にポリエステルのような素材でできているソフトロボットには欠かせない機能である。

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