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うじ虫のようにはい回る「超小型医療用ロボット」が、“未来の治療法”かもしれない

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うじ虫のようにはい回る「超小型医療用ロボット」が、“未来の治療法”かもしれない

チューブは4種類を用意した。いちばん太いもので、常温時のヒドロゲルの直径のおよそ3分の2、ほかの3つは1mm刻みで細くした。ヴァーナリーはこのチューブにヒドロゲルを詰め、液体のなかに沈めて温度を調整した。

チューブの形状は試行錯誤の繰り返し

これが本物の医療用ロボットなら、生体組織のなかをはい進み、薬剤を標的部位まで運んだり、腫瘍を切除したり、組織の再生を補助したりするところだ。とはいえ、まずははうことができなければ始まらない。そのためにヴァーナリーは、太さの異なるチューブを使って原理の有効性を実証し、ヒドロゲルの蠕動能力を最適化する力学的要素を見つけだそうと考えた。

そこには複数の要因の影響がみられた。まず特定できたのは、チューブ内部の「うろこ」の最適な角度だ。さらに、長い断片のヒドロゲルの方が、短い断片よりも効率的に蠕動することもわかった。「うじ虫が横よりも縦に長いのは、そのせいかもしれません」とヴァーナリーは言う。

最後に、チューブの前進に必要な抵抗力を生み出す形状である。一般的にチューブが細いほど、ヒドロゲルが密着する表面積は大きくなる。だが、それは同時にヒドロゲルを圧迫して伸長能力を制限することにもなる。試行を重ねるうち、ヒドロゲルの直径の20~50パーセントの太さのチューブが最適であることがわかった。

そこでヴァーナリーはコンピューターモデルを使い、この結果をさらにミクロなスケールにあてはめた。なにしろ親指サイズのロボットは、体内に入れるにはどう考えても大きすぎるのだ。

こうした成果には期待が高まるが、忘れてはいけないことがある。ヒトの体内はうろこで覆われてはいないので、ヒドロゲルがしっかりつかまるのは難しい。かといって、ヒドロゲル自体に「うろこ」を装備する方法も未解決だと、ヴァーナリーは言う。

また、標的部位に到達させる方法や、移動方法そのものについても改善が必要だ。ヴァーナリーは、ヒドロゲルに磁性ナノ素材を混ぜ込み、電磁パルスで温・冷のサイクルを発生させて動かす方法を考えている。

とはいえ、うじ虫型ロボットが体内をはいまわるなんて考えるだけでもおぞましい、と思う人もいるだろう。だが、医療用ヒドロゲルの大きさは、いずれマイクロメートル単位になる。目に見えないなら、気にもならないはずだ。

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