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運動すると不安が鎮まる スポーツが脳に与える影響とは?

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運動すると不安が鎮まる スポーツが脳に与える影響とは?

 運動はわたしたちの脳を活性化し、同時に落ち着かせる。これにより、わたしたちはより活動的で、より落ち着いていることができる。ある研究が、運動をするマウスと運動不足のマウスの脳の違いを明らかにしている。

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 散歩、スポーツ、ストレッチなどの身体運動は、たとえわずかな運動であってもさまざまな効果をもたらす。多くの研究が行われているが、最近プリンストン大学で行われ、『Journal of Neuroscience』で発表されたものは、体を動かすことで、新しい神経細胞が生み出されることを明らかにした。こうした細胞は、興奮しやすく、記憶力や思考力を高めるのに最適だ。このため運動は、勉強や集中力の助けとなる。しかしその一方で、運動が脳の同じ部位に落ち着きとリラックスを与えてくれることを明らかにした研究も数多くある。これはどういうことだろうか?

スポーツが脳に及ぼす効果

 プリンストン大学の研究者たちは、この一見矛盾する問題に注目して、マウスで実験を行った。一方のマウスは自由に運動用の車輪を利用できるようにしたが、もう一方は動かずにじっとしているようにさせた。そしてある特殊な物質によって、彼らの脳の中で新しく細胞が生まれると色が着くようにした。

 6週間後に、マウスたちのストレスのレヴェルを測定した。運動をするマウスは、より探検好きで、可能であれば外で時間を過ごす傾向があった。これに対して運動不足のマウスは、まだ行ったことのない場所に近づくことにより多くの恐れや不安を示した。さらに、前者は多くの新しいニューロンをもち非常に活発だったが、後者はその反対だった。

 そして同時に、物理的に活動的なマウスたちの脳は、神経伝達物質GABA(Gamma Amino Butyric Acid:γ-アミノ酪酸)を放出することのできるニューロンを多量にもっていた。これは脳の活動を抑制して、過度の興奮を静める神経伝達物質だ。これらのニューロンは、感情とかかわっている海馬の部位に集中していた。これは何の役に立つのだろうか?

 研究者たちは、マウスを5分間冷水の中に置いた。不快でストレスの溜まる状況だ。この場合もマウスたちの脳の反応は、「運動をしているかどうか」によって分かれた。すべてのマウスが著しい脳の興奮を示したけれど、前者のグループの脳はすぐに恐れと不安を抑えることに成功した。ストレスの効果は長く続かなかった。彼らの脳はGABAを放出することのできるたくさんの数の「鎮静」ニューロンを活性化させたので、すぐに過度の不安を静めることができたのだ。反対に運動不足のマウスは長い間、冷水浴が原因で起きた不安の虜になっていた。

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