土に還る「本当にエコ」な電気自動車、オランダの大学生が考案

 

 環境に優しいクルマをつくるとなると、走行中の排気ガスの量をどう減らすかばかりが議論されがちだ。オランダのアイントホーフェン工科大学の学生たちは「廃棄」のプロセスに注目し、コンポストに入れるだけで土に還る電気自動車を考案した。これまでリサイクルにかかっていた莫大な手間とエネルギーを軽減できるという。

PHOTOGRAPH COURTESY OF TU EINDHOVEN

いまどきの電気自動車は、ガソリン車よりずっと環境に優しい。しかし、本当の意味でエコとは言えない。オランダのアイントホーフェン工科大学の学生たちは、そんな現実を変えようと、「土に還るクルマ」を考案した。「Noah」という名の電気自動車(EV)で、まもなく路上にお目見えする予定だ。

主要な自動車メーカーはジュネーヴ・モーターショー2018で、低炭素社会を見据えて設計したEVを数多く発表した。ところが、クルマの廃棄に関しては、とてもエコとは言いがたい。現在、生産されているクルマの部品は、あまりサステナブルなものではない。莫大な手間とエネルギーを費やさなければ再利用できないからだ。

アイントホーフェン工科大学のエコモーティヴ・チームの学生たちが改善したい点は、まさにここにある。Noahは使われなくなったら、巨大なコンポストに投入できるクルマなのだ。

Noahは2人乗りのコンパクトなサイズで、その90パーセントが軽量な生分解性の素材でできている。普通のクルマの重い金属のフレームとは異なり、ノアのそれは大部分が亜麻とバイオプラスティックであるポリ乳酸(PLA)でつくられている。PLAは車体と内装にも採用されている。

車体の塗装には環境に優しい塗料が、内装にもエコな布地が使われている。重要な部品はハニカム構造になっており、金属や従来のプラスティックに近い強度や安定性を実現している。素材の多くは工業的に正しい手順で、精度の高い3Dプリンティングでつくられている。

Noahは主に都市部で使われることを想定したクルマだ。電気モーターのパワーは弱めで、最高時速100kmまでしか出せない。ただし、1回の充電で最長240kmは走行できる。小型車は個人で所有するだけではなく、カーシェアサーヴィスでも使えるような技術を備えておくべきだ。

このオランダの学生たちはいま、野心的なヴィジョンを抱いている。18年の上半期に自動車産業や製造業の支援と道交法の許認可を受け、Noahのプロトタイプで安全に公道を走行する計画だ。そして夏には、欧州の複数の都市をNoahで旅行する考えだという。