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缶詰に無限の可能性 フードロス解決にも一役

「カンナチュール」の商品パッケージ
「カンナチュール」の商品パッケージ
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 “究極の保存性”を持つという缶詰製品に加工することで、賞味期限を伸ばし、食品廃棄などの問題解決に取り組むブランドがある。これまで市場に出せなかった規格外の野菜や魚介類などを調理した「カンナチュール」だ。国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成につながる商品としても、理解が広がる。また、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた飲食店を支援する取り組みも始まった。缶詰が食に携わる人々の働きがいを応援する。  (北村博子)

おいしさ最大限

 「日本各地の漁業や農業の生産者を守り、さらに、食品廃棄などの課題を解決したい。そのために缶詰を作っています」

 平成30年に誕生した缶詰ブランド「カンナチュール」を展開する「エイチアンドダブリュー」(H&W、大阪市北区)の橋爪敦哉社長は話す。

 本来食べられるのに、捨てられてしまうフードロスを無くすため、農業や漁業の生産者と連携。規格外や余った食材のおいしさを最大限に引き出す味付けをして加熱密閉調理、高付加価値の缶詰製品を販売する。保存料などを入れない無添加にもこだわっている。

「カンナチュール」の缶詰を使って開発したオイスターエスカルゴバター(手前)とそれを使用した「ル・レストラン マロニエ」の料理(南雲都撮影)
「カンナチュール」の缶詰を使って開発したオイスターエスカルゴバター(手前)とそれを使用した「ル・レストラン マロニエ」の料理(南雲都撮影)
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 ノルウェーから生のまま空輸したサーモンにタマネギの甘みとマスタードを加えた「空飛ぶサーモン オニオン&マスタード煮」(90グラム、972円)や、岡山県真庭市で捕獲された猪をみりんや豆板醤で味付けした「山の宝 猪肉のピリ辛味噌煮」(90グラム、2592円)、京都・山科の農園と連携した「うつみ農園 トマトハヤシソース」(185グラム、1296円)などその種類は50種以上に上る。

 一缶ずつ手で詰める小口生産のため、どうしても製造費用がかさみ、販売価格も多くが千円をくだらない。決して安くはないが、ウェブサイトや百貨店の催事場での販売で注目を集めてきた。SDGsにつながる商品として、売り上げは年々上昇しているという。

コロナ禍の救世主に

 コロナ禍によって、これまでギフト商品としての需要が高かった缶詰に新たな使われ方が生まれている。

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 シャンパン専門店「キャトルオンズスール」(神戸市中央区)は、カンナチュールの6種の缶詰をメニューとして提供している。店主の中岡誠さん(48)は「パッケージの女性うけが良く、そのまま出せるので手間が省けて助かる」と話す。

 何より、「常温保存ができて食材のロスが出ないこと」に助けられているという。コロナ禍で営業時間短縮要請が相次ぎ、客足の予測が立ちにくく食材の仕入れ計画が難しくなる中、買いすぎて無駄になるリスクを避けることができる。

 「コロナの影響で客が来たり来なかったりするようになり、日持ちが良く店の“料理”として出せるものを探していた」と話すのは、10種以上を仕入れる札幌市中央区のワインバー「ラデギュスタシオン」の店主、高橋航平さんだ。

 無添加食材を使用し、食品ロス問題を意識した理念にも共感。「想像以上に味がしっかりしていて客の評判も良く、会話のきっかけにもなっている」と満足している。

新たなレシピを

 H&Wでは、飲食店の新たな収益を確保するための取り組みも始めた。人気シェフによるカンナチュールの缶詰を使った商品の開発だ。

 「『牡蠣みそ』がなければこの味は出せなかった」

 フランス料理店「ル・レストラン マロニエ」(神戸市中央区)の光山龍司シェフ(38)は、規格外の牡蠣を活用した缶詰「牡蠣みそ」をベースにした「オイスターエスカルゴバター」(1620円)のレシピを開発した。

 「パンに塗るほか、牛肉などのステーキに合わせるとソース代わりになり、キノコと炒めると貝の味が移ってワインにも合います」

 光山さんは「缶詰から新しい料理を作るのは初めて。すごく勉強になった」と言い、「レストランの仕事にはやりがいを感じるが、店の外でも自分の力を生かしたいと思っていたので良い機会でした」と話す。

 昨秋から開発に取り組んで3月から販売を開始。売り上げの一部がシェフに入る。

 H&Wの橋爪さんは「コロナ禍で料理に関わる人たちとともにできることを考えた結果、この商品が生まれた」と説明する。

 食品廃棄の課題解決だけではない。カンナチュールは、食に携わる全ての人々の幸せを追求している。

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