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【どう変わる天王寺動物園㊤】動物も「福祉」の時代 希少種獲得で来園者を呼び込め

4月から地方独立行政法人として一歩を踏み出した天王寺動物園=大阪市天王寺区(本社ヘリから、沢野貴信撮影)
4月から地方独立行政法人として一歩を踏み出した天王寺動物園=大阪市天王寺区(本社ヘリから、沢野貴信撮影)
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 「ギャーギャー」。令和2年11月26日朝、天王寺動物園(大阪市天王寺区)のホッキョクグマ「イッちゃん」の獣舎を撮影した前日夜の動画から聞こえる甲高い鳴き声が、赤ちゃんの誕生を知らせていた。この日の午後にはイッちゃんに身を寄せる姿も動画で確認でき、飼育担当者の油家(あぶらや)謙二さん(48)は「ほっとした」と振り返る。

 同園でホッキョクグマの赤ちゃんの誕生は6年ぶりで、今西隆和副園長(59)は「このまま無事に育ってほしい。動物園の新たな顔になれば」と表情を引き締めた。「ホウちゃん」と名付けられた赤ちゃんは、その期待を裏切らず、今年3月に一般公開されるまでに成長し、来園者の人気を集めている。

 野生のホッキョクグマはアザラシなどを食べて脂肪を蓄え、雪穴に閉じ籠もり、出産、育児をする半年ほどは穴から出てこず、その間は何も食べない。飼育下では、この雪穴と同じように狭くて暗く静かな環境の再現や、そこに閉じ込めるタイミングなどが難しく、繁殖は困難とされている。

 天王寺動物園では昭和61年に初めて繁殖に成功。それ以降もノウハウを蓄積し、15頭の実績を残してきた。今回も、約20日前からイッちゃんが出産に専念できるように獣舎を閉鎖するなど環境を整え、出産にこぎつけた。

 日本動物園水族館協会によると、絶滅危惧種のホッキョクグマの国内での飼育頭数は平成7年には全国の33施設67頭だったのが、昨年末時点で18施設39頭と年々減少している。今年に入ってから全国で少なくとも2頭が死んでおり、そんななかでの繁殖成功は天王寺動物園の飼育、繁殖能力の高さを見せつけたといえる。

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