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【ビブリオエッセー】出会いは輝くホシのように 「えんとつ町のプペル」にしのあきひろ(幻冬舎)

 これほど話題になっていたとは知らなかった。アニメ映画『えんとつ町のプペル』の原作である。本屋さんのオススメコーナーで見たこの絵本が気になり手に取ったのが出会いで、イラストが圧巻だった。

 著者はお笑いタレントで絵本作家の西野亮廣さん。マルチな才能に感心しつつ、物語の世界にのめり込んだ。

 舞台は町中を灰色に覆う煙のせいで本当の空を見ることができない「えんとつ町」。町はえんとつだらけで4000メートルの高い崖に囲まれている。住民たちは外の世界を知らない。

 ハロウィンの夜、えんとつそうじ屋の少年ルビッチは一人のゴミ人間と出会う。父を亡くし、体じゅうススだらけになって働くルビッチ。二人はたちまち仲良しになり、ゴミ人間はプペルと名づけられた。

 「あっちへいけバケモノ!」。プペルはその容姿と悪臭でみんなに嫌われるが、ルビッチは平気だった。そして父が語っていたこんな言葉を教える。「煙のうえにはホシがある」。

 友情や信じることの大切さが読みとれる。文中にある「信じぬくんだ。たとえひとりになっても」の一文はやはり印象に残った。紹介にも「信じる」がよく使われていて、見えないホシは理想や挑戦を暗示していると思う。

 それだけではなく人の本質は見た目ではわからないというメッセージも込められているはずだ。プペルは友達のため自分を犠牲にすることのできる勇気と温かい心の持ち主だった。

 私たちは自分の作り上げたイメージで人との距離を取ってしまうことがある。しかし良いところに目を向けられるようになれば、きっと新しい発見、満天のホシが見つかるだろう。わくわくする出会いを逃してはいけない。

 奈良市 中野瑠璃 20

 【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~金曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

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