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オンライン手話講座人気 聴覚障害者にマスクが苦境 「伝えたい意識大切に」

 オイオイの岡崎伸彦代表理事(38)によると、新型コロナの影響で、全国の手話サークルの多くが活動停止。長年手話を使った演劇などのパフォーマンスを披露してきた同団体でも、昨年の対面でのパフォーマンス活動はすべて延期となった。手話に関心を持った人が学ぶ場が減ってしまったという。

 こうした現状を打開しようと、オンライン講座を企画。SNSで参加者を募ると数日で定員を上回る申し込みがあり、キャンセル待ちも出た。現在は3グループで約30人が受講。難聴の長男(1)との会話のために参加した東京都の会社員、若松紗綾さん(31)は「思い切り体を動かし、楽しく手話が身につきそう」と喜ぶ。

表情も重要

 コロナ下でのマスク生活によって、聴覚障害者やその家族は困難を強いられている。若松さんは長男に口元を見せて会話をするが、外出時にはマスクをするため口元を見せられない。両手で抱っこしていたら、覚えた手話を試すこともできない。「マスクがもどかしい」と若松さんはいう。

 オイオイのメンバーによると、たとえばコンビニでのやりとりは従来、店員の声掛けが定型だったため、唇の動きを読むなどして対応できたという。だが、現在はマスクで口元が見えない上に、昨年7月からのレジ袋有料化も重なり、やり取りのパターンが増えた。中川さんは「袋も箸も欲しかったのに、店員が何を話しているか分からず、もらえなかった」と苦笑する。

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 たとえマスクをしていても、目を合わせ、表情豊かに接客してもらえれば、身ぶり手ぶりで要望を伝えることもできる。しかし無表情での接客だと意思が伝わりにくく、「このご時世でマスクは仕方ないけれど、本当に困っている。僕たちにとって表情はとても重要な情報なんです」(中川さん)。

 目元に感情をにじませたり、大きく身ぶり手ぶりで表したりする表現は耳の聞こえに関係なく、人とのコミュニケーションを円滑にする。手話では、手の動きだけでなく表情も重要な役割を果たしている。このため、岡崎代表理事は「手話によって、障害の有無にかかわらず、日常でのコミュニケーション能力が磨かれる」という。

 手話講座では「大切なのは相手に伝えようとする意識だ」とも教えている。手話ができなくても、口元が見えなくても、熱意があれば伝わるといい、岡崎代表理事はこう訴える。「障害やコロナを理由にコミュニケーションをあきらめないでほしい」

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