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京都市当初予算案 一般会計1兆5億円 過去最大も財政難深刻

 京都市は10日、1兆5億円の令和3年度一般会計当初予算案を発表した。新型コロナウイルス対策として計上した2464億円が大きく影響したため、前年度を27・6%(2165億円)上回り初めて1兆円を超えた。ただ、深刻な財政難から財源不足は解消できず、将来の借金返済に備えた公債償還基金を取り崩して補填(ほてん)する「禁じ手」を12年連続で行う厳しい予算編成となった。2年度2月補正予算案(271億円)と合わせた14カ月予算として、17日開会の市議会に提案する。(秋山紀浩)

 市では編成に当たり財源不足が生じ、回避策として主催イベント全ての休止・見直し(4億円)や職員88人の削減(7億円)、職員本給の最大6%カット(14億円)、市有地売却(17億円)などで215億円を捻出する。それでも財源不足は解消せず、公債償還基金から過去最大の181億円を取り崩す。

 歳入のうち市税収入は、コロナ禍の影響で前年度比140億円(4・7%)減の2847億円。うち個人市民税は73億円(6・2%)減の1097億円と10年ぶりに減少した。市独自の宿泊税も前年度の41億円から16億円まで61%減と大幅に落ち込む見通し。

 国からの地方交付税と臨時財政対策債の計990億円を合わせても不足するため、公債償還基金のほか、借金にあたる市債などで補う。市債発行額は84億円(10・4%)増の893億円となる。

 歳出は、コロナ対策に重点を置いた。医療面では、ワクチン接種関連として、集団接種の会場確保や相談・予約受け付けを行うコールセンター設置費用として81億円を計上。PCR検査の実施や保健所体制の充実などに48億円を確保した。

 経済や市民生活の面では、資金繰りに苦しむ中小企業の支援や、所得が低下し家賃の支払いが困難な住民への給付金や就労支援などとして2317億円を盛り込んだ。

 ■「禁じ手」12年も

 多くの自治体は、災害や財源不足に備えて「貯金」にあたる財政調整基金を積み立てているが、慢性的な財政難に陥っている京都市では約20年前から枯渇し、令和3年度当初予算案でも取り崩しができない状況だ。

 そのため、市は不足分を補うために公債償還基金に手を付けているが、この基金は将来返済する借金のために積み立て、本来は計画外に取り崩さないものとなっている。

 市では収支不足により平成17年度に手を付け、その後22年度からは毎年取り崩しており、令和2年度時点で本来あるべき額(2033億円)の3分の1をすでに使用した。さらに3年度予算案では過去最大の181億円が取り崩され、残高は1380億円となる見込みだ。

 市財政課が公表した推計では、このままの状態が続けば、8年度には公債償還基金は枯渇し、早ければ10年ごろに、企業の倒産にも例えられる「財政再生団体」に転落する。

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