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【SNSの罠】安易に加担、大きい代償 「闇バイト」で捨て駒にされる若者たち

 「怪しい犯罪系のバイトであることは知っていたが、金が稼げるからいいかと思って手を出した」

 SNSの「闇バイト」に応募し、新型コロナウイルス対策の持続化給付金100万円を詐取したとして逮捕された無職の少年(18)は、大阪府警の調べにこう供述したという。不正受給は「知らなかった」と弁明するが、安易な考えで犯罪に加担した代償は大きい。

 ツイッターなどのSNS上に蔓延(まんえん)する闇バイトの募集。特殊詐欺の「受け子」や強盗の実行役などをさせるケースが多い中、新型コロナの感染拡大とともに増えたのは、国が昨年5月から始めた持続化給付金を不正に申請する役割だ。

 持続化給付金は今月1日時点で、中小企業・個人事業主の計約418万件に約5・4兆円が給付されている。困窮した事業主らに迅速に給付するため審査が甘いとの指摘があり、不正受給も相次いだ。警察庁によると、昨年12月18日までに摘発されただけで39都道府県で計279人。被害額は2億円以上に上る。

 申請方法を熟知した犯罪グループが、不正申請する個人事業主役を多数集める手口が横行。仕事や大学のサークルといったつながりを通じて集める手法もあるが「SNSを使えば不特定多数の人間を簡単に集められ、捨て駒にできるので犯罪グループに都合が良い」(警察関係者)という。

 大阪府警が逮捕した少年は「お金に困っていた」というが、詐取した100万円のうち取り分は15万円。自身の口座に全額が振り込まれたにもかかわらず、残りの85万円は指示役側に手数料として支払っていた。

 不公平な配分にみえるが、闇バイトの応募者は指示役に言われるがまま身分証明書や実家の住所を提出してしまい、「家族に危害を加える」などと脅されて安い報酬で使われたり、新たな犯罪を指示されたりすることも多い。

 にもかかわらずリスクは大きい。今回のように逮捕されることもあり、犯行態様によって刑事処分はさまざまだが詐欺罪では最長で10年の懲役刑が科される。同給付金の不正受給が発覚すれば、申請者の氏名などが公表される上、受給額返還や延滞金などの加算金を支払わなければならない。

 捜査幹部は「一度闇バイトに応募すると抜けられなくなり、使い捨てにされ逮捕される。金欲しさに軽い気持ちで加担すると、取り返しのつかないことになる」と注意を呼びかけている。(木下未希)

SNSに関するご意見や情報を募集します。 ikensns@sankei.co.jp までお寄せください。

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