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歓声なきゴール フェンスや誘導…感染対策を徹底 大阪国際女子マラソン

長居公園の周回コースを力走する選手ら。コース沿いには立ち入りを規制するフェンスが設置された=1月31日、大阪市住吉区の長居公園(須谷友郁撮影)
長居公園の周回コースを力走する選手ら。コース沿いには立ち入りを規制するフェンスが設置された=1月31日、大阪市住吉区の長居公園(須谷友郁撮影)
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 午後2時半過ぎ、静まり返ったヤンマースタジアム長居に、一山麻緒(23)=ワコール=がトップで戻ってきた。スタンドを埋める観衆の姿は今年はない。一山が両手を広げてゴールテープを切ると、数十人の関係者が拍手を送るだけだった。

 大会では参加選手を大幅に減らしたり、選手にPCR検査を義務づけたりしたほか、会場でも徹底した感染対策が施された。

 市民らがコースに立ち入ったり、沿道に集まったりすることを防ぐ金属製フェンスは約900枚。公園内の総延長は約1・5キロに及んだ。

 レース中、フェンス内の様子はほとんど見えず、立ち止まる人はまばらだった。一部の場所では選手の姿を見ようと足を止める人もいたが、警備員らが迅速に対応。「立ち止まっての観戦はご遠慮ください」と繰り返し声を掛けていた。

 公園内は生活道路でもあり、コースには3カ所の横断帯が設けられた。ここでも警備員や大会関係者が、ランナーの動きを注視しながら「選手が通ります。横断を止めます」と誘導。横断を待つ人には、十分な間隔を取るよう求めていた。

選手が通過した後、警備員に誘導されてコースを横切る市民ら=1月31日、大阪市東住吉区の長居公園(須谷友郁撮影)
選手が通過した後、警備員に誘導されてコースを横切る市民ら=1月31日、大阪市東住吉区の長居公園(須谷友郁撮影)
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 フェンス内で緊張感あるレースが繰り広げられる一方、規制がかかっていない公園では、子供らが遊具で遊んだり、走り回ったりする日常の光景が広がっていた。孫を連れて遊びに来ていた大阪市住吉区の男性会社員(61)は「フェンスのおかげで、応援する人が集まることはなかった。何事もなく遊べた」と安堵(あんど)した様子だった。

 レース後の選手らの記者会見も、コロナ禍を反映。報道関係者は会見スペースへの入場に際し、検温や手指の消毒を徹底した。会見席上の選手と監督らの間には、飛沫(ひまつ)防止用の透明な板が設置された。会見する選手や関係者が入れ替わるたび、大会関係者がこまめに消毒していた。

先頭の一山麻緒がマラソンゲート前に差しかかると、残り1周を告げる鐘が鳴らされた=1月31日、大阪市東住吉区の長居公園(須谷友郁撮影)
先頭の一山麻緒がマラソンゲート前に差しかかると、残り1周を告げる鐘が鳴らされた=1月31日、大阪市東住吉区の長居公園(須谷友郁撮影)
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 選手らの受け止めはどうか。3位に入った阿部有香里(31)=しまむら=は、周回コースを約15周する異例の展開に、「変に気負いせず、ペースメーカーの方もいたので練習の一環みたいな楽な気持ちでしっかり走れた」と話した。

 日本陸連の尾縣貢専務理事は「(選手が)なかなか思うような練習ができない、高めてきたものを発揮できる場がない中、この大会はぜひ実施したいという強い気持ちがあった」と強調。「アスリートにとって私たちが(提供)できる最高の場面だった」と振り返った。

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