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コロナ禍で救急に異変…ためらう119番

患者搬送後に行う救急車内の消毒作業(大阪市消防局提供)
患者搬送後に行う救急車内の消毒作業(大阪市消防局提供)
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 新型コロナウイルスの感染拡大は、救急搬送にも大きな影響を与えている。救急車を呼んでも搬送先がすぐに見つからない「救急搬送困難事案」が昨年より大幅に増えている一方で、全体の出動件数は減少。本来は搬送が必要な人たちが通報しなかった可能性もあり、関係者は「緊急時にはためらわず119番してほしい」と呼びかけている。

 総務省消防庁は、医療機関の受け入れを4回以上照会し、救急隊の現場到着から搬送開始まで30分以上かかった事例を搬送困難事案と判断している。同庁の集計によると、1月24日までの1週間で2836件で、昨年同期の1243件に対して倍増。消防本部別では東京消防庁が1429件と最も多く、大阪市消防局の251件が続いた。

 京都市では今月、医療機関への交渉が17回に及び、搬送まで2時間以上かかった事例も。同市消防局の担当者は「重症者の行き先が決まらず、病状が著しく悪化したという報告はない」としつつも、「深刻な状況が続いている」という。総務省消防庁の担当者は「地域によって事情は異なるが、重症以外の患者の搬送先が見つかりにくい傾向にあるようだ」と打ち明ける。

 一方で、コロナ下での救急車の出動件数そのものは昨年、全国的に減少した。

 毎年増え続けていた大阪市の出動件数(速報値)は前年比11%減の21万7430件と6年ぶりに減少。京都市の出動件数(同)も7万9014件と12年ぶりの減少となった。両市とも緊急事態宣言が発令されていた3~5月の減少幅が大きく、外出自粛で屋外での事故などが減ったことも原因とみられる。

 ただ、診療科目別でみると気になる状況も。大阪市では小児科の搬送が5363人で前年比45%減とほぼ半減しており、同市消防局の担当者は「感染への不安から、親が救急車の要請を控えたという可能性も考えられる」。また、軽症患者の搬送も前年と比べて18%減っており、担当者は「我慢した結果、症状がひどくなってしまった人はいないか」と表情を曇らせる。

 「救急車からコロナウイルスが飛んでこないか」「コロナ感染者を運んだ救急車にウイルスが残るのでは」などと不安を訴える市民もいるといい、担当者は「コロナの感染拡大前から、救急搬送後は消毒を徹底している。救急隊員も自身の感染予防に細心の注意を払っており、安心してほしい」と強調している。

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