PR

産経WEST 産経WEST

「追悼」斬られ役に徹した福本清三さん・殺陣の伝統を支えた影のスター

斬られ役として活躍した福本清三さん。えび反りのシーンは多くのファンをひきつけた(C)東映太秦映画村
斬られ役として活躍した福本清三さん。えび反りのシーンは多くのファンをひきつけた(C)東映太秦映画村
その他の写真を見る(1/2枚)

 時代劇の斬られ役として活躍し、「5万回斬られた男」の異名を持つ俳優の福本清三さんが1日、肺がんのため77歳で亡くなった。民放地上波での放映が激減するなど時代劇が厳しい状況にあるなか、劇中の見せ場である「殺陣(たて)」の伝統を京都・太秦(うずまさ)から裏方として最後まで支えたスターだった。(岡田敏一、荒木利宏)

 映画の世界に入ったのは中学卒業後の15歳。時代劇全盛期だった昭和33年、東映京都撮影所(京都市)に「大部屋俳優」として入所し、通行人や斬られ役といった「その他大勢」の役どころだった。

 「どのシーンに出てるかよう分からんまま毎日のように撮影やってましたわ」と生前に語っていた。

 斬られ役として、何がベストの演技か試行錯誤した。福本さんが入所した頃はテレビ放送が本格化し、はいずりまわるような演技や血のり、金属音といった派手さが求められた。

 その要求に応えるかのように、新境地を開拓したのが福本さんだった。斬られた直後、迫真性を増すために体を大きくのけ反らせて倒れる「えび反り」を生み出した。

 テレビ時代劇「水戸黄門」「暴れん坊将軍」などで活躍。派手なアクションでお茶の間でも知られるようになったが、自身の立ち位置はあくまでも「その他大勢」。主役を目立たせることに専念した。

 米俳優、トム・クルーズさん主演の米ハリウッド映画「ラストサムライ」(2003年公開)では寡黙な侍役を演じたが「同じ画面で主役と2人だけで映るなんてめったになかった」と謙遜していた。

 自身初の主演映画「太秦ライムライト」(平成26年)の出演に際しては「せりふなんか、ろくにしゃべったことないのに、主役なんてできますかいなって断ってた」と語っていた。

 こうした謙虚な姿勢が、人々をひきつけた。自身の生き方をつづったエッセー「五万回斬られた男」は中学生の道徳副読本に掲載された。

 同撮影所によると、「太秦ライムライト」公開後に検査で肺がんが見つかり、以降は入退院を繰り返して体調が好転すれば撮影に参加したという。最後の出演作は、NHKのBSプレミアムで昨年11月に放映されたスペシャル時代劇「十三人の刺客」。撮影はその3カ月前で、これが最後の現場となった。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ