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餓死母親の息子「無戸籍で助け求められず」水と塩で…

 女性が以前、「引っ越す」と言っていたこともあり、近所の人たちは家にはもう誰もいないと思っていた。雨戸も閉め切った中で2人きり。女性は自力で水も飲めなくなり、息子が布に含ませて与え、自身も塩で飢えをしのいでいたという。そんな状況が2~3週間続いた。そして-。

「なぜきづけなかったのか」

 「無戸籍だから助けを求められなかった」。息子は追い詰められた理由をそう語った。2人が無戸籍である理由は分かっていないが、誰かが気づくことはできなかったのか。

 高石市は、女性が亡くなるまで無戸籍の親子の存在を把握していなかったという。女性は周囲に自身らの境遇を打ち明けず、窮状を訴えることもなかったため、行政が親子に関与したことはなかった。

 ただ、夫が亡くなり死亡届が出された際、市は家の相続の関係で戸籍を調べたという。結局、夫の親族が相続放棄をしたが、この過程でも女性らの存在には気づかなかったとしている。

 阪口伸六(さかぐち・しんろく)市長は「行政に相談がなく死亡されたことは残念。今後、こうした事案がないように地域住民の力を借り、関係機関と連携しながら対応したい」とのコメントを出した。

 自治会長の男性は後悔をにじませる。「SOSを出してくれたら何かできることはあったはず。出ていたのかもしれないが、なぜ気づけなかったのか」

 【無戸籍者】 親が出生届を出さなかったなどの理由で戸籍がない人。法務省の把握では全国で約900人とされるが、民間支援団体は約1万人と推計している。出生届を出さない理由はさまざまだが、「離婚後300日以内に生まれた子供は前の夫の子供と推定する」という民法の「嫡出推定」の規定が適用されるのを避けるためというケースが、7割以上を占めるとされる。戸籍がなくても行政サービスや生活保護を受けることは可能。自治体や法務局に相談し必要な手続きを経れば、無戸籍を解消することもできる。

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