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【回顧 九州・山口 令和2年コラム】(下)「脱炭素」総論賛成だが…

 「わが国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」

 10月26日、臨時国会の所信表明演説で菅義偉首相はこう宣言した。その後も、菅氏は2030年代半ばまでの「脱ガソリン車」など、「脱炭素」に向けた施策を次々に繰り出す。

 世界的潮流となった脱炭素に、日本も何らかの対応を示さなければならないという点で、菅政権の方向性は正しい。石油業界関係者も「ここまで明確に打ち出すことは予想していなかったが、世の中の流れがそうなら、真摯(しんし)に受け止め、ビジネスチャンスに変えていく」と前向きに捉える。

 ただ、総論には賛成できても各論では懸念もある。

 脱炭素を進める上で、鍵となるのは、エネルギーの電化だ。さらに、CO2を排出しない再生可能エネルギーによる発電を拡大させる上では、悪天候などによる出力減のときにカバーする他電源の確保や蓄電技術への投資などが不可欠だ。

 一方、投資の回収予見性を高めようとスタートした「容量市場」は、制度の複雑さもあって批判され、新電力の一部は、政府与党へのロビー活動を活発化させる。河野太郎行政改革担当相が12月に発足させたタスクフォースには、ソフトバンクの孫正義会長兼社長が設立した脱原発を掲げる財団の関係者らが名を連ね、全委員一致の意見として容量市場の凍結を求めた。業界関係者は「安定供給を維持し続けるという視点が欠けているのではないか」と眉をひそめる。

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