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児童虐待~連鎖の軛 番外編 晴れぬ疑い…我が子と引き離された1年超 「ママ」呼ばれるまで   

 面会は月1~2回

 乳児院に入った次男に家族が会えたのは、約5週間が過ぎた9月下旬。1時間程度の面会だったが、涙が止まらなかった。その後も面会は月に1~2回だけ。会えるのはうれしい。しかし、職員になついていく次男が泣き叫ぶのがつらかった。

 一時保護は原則2カ月まで。児相は10月、次男を乳児院に長期入所させるよう求め、神戸家裁明石支部に申し立てた。

 処遇を争う審判に母親と父親(50)は望みを託した。医者の意見書などで事故の可能性を訴えると、同支部は昨年8月、「(虐待を)認めるに足りない」と児相の申し立てを却下。大阪高裁も同11月、即時抗告を退け、次男は自宅に帰ってきた。一時保護から約1年3カ月が過ぎていた。

 簡単に戻らぬ時間

 両親は「骨折は事実で、いったん一時保護されたことは理解できる」と今は思うが、一方的に虐待と決めつけられ、面会を厳しく制限された怒りは消えない。

 審判時の資料を見ると、骨折原因が分からず、必死に記憶をたどった母親について、児相は「話が変遷し不自然」「虐待を隠そうとしていると考えるのが合理的」とみていた。

 母親は憤る。「虐待を認めないと次男を帰すことはないという。そんな恐ろしいことがあっていいのか」

 次男は戻ってきた。だが、失った時間は簡単には戻らないと感じている。

 当初は泣きやまず、母親が初めて「ママ」と呼ばれるまで数カ月を要した。分離の影響がどこかで表れないか不安だ。それでも母親は毎日次男を抱きしめ、離れていた間に生じた距離を縮めようとしている。

 家族は今年9月、明石市の泉房穂市長から直接謝罪を受けた。泉市長は問題を機に、「一時保護後に第三者がチェックし、間違っていたら家庭に戻す仕組みを作る」と明言している。

 制度自体が変わらない限り、誰にでも同じことは起こりえると訴える母親。「初めての寝返りやつかまり立ちにも立ち会えず、かけがえのない時間を奪われた。『子供のため』を見つめ直し、同じように苦しむ家族を二度と生まないでほしい」と話した。

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